第23話
そうなの、と適当に返事をしながら近くでじっと少女の顔を見てみると、頬やこめかみの辺りの皮膚がうっすら変色していることに気付いた。
瞳はぱっちりと大きく、せっかく色の白い可愛らしい顔立ちをしているのに変色している部分やこびりついた目やにが少女の可憐さを台無しにしていた。
何度か足を運んでいるこの公園で会ったのは今日が初めてだった。桃香とは出会ったばかりでも一緒に育った幼馴染であるかのように仲良くなっている。人懐っこい子なのだろう。でもどうやって仲良くなれたのだろう。自分は昔から人見知りをするタイプだったから、大人になった今でも人懐っこい子の行動パターンや思考はよくわからなかった。
それよりも親だ。この子の親はどこにいるのだろう。物騒な御時世に幼い子をほったらかしておく親など今は存在しないのではないか。だが公園のどこを見ても自分以外に大人はいない。近所だからひとりで遊びに来ているのだろうか。
それでもこんなに小さく、頼りない子を一人だけで外に出すものなのだろうか・・・。
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