第21話
・・・そんなことに気付いたときには手遅れで、これからの生活をどうしようかと、振出しに戻ったように悩まなければならなくなっている。運が悪いわけではない。私の頭が悪いのだ。全ては私のせい。
よく晴れている空の下で涙目で子どもを見つめる親がこの世界のこの瞬間にどれだけいるのだろう。多くの母親は我が子の小さな後ろ姿に目を細めているものだろう。それに比べて私は・・・。
会ったこともない空想の良妻賢母と自分を比べて落ち込んでいたその時、小さな広場の中に桃香以外にもう一人小さい女の子がいることに気付いた。初めて見る子どもだった。
いつの間にかそこにいた女の子の服はサイズがあっていないのか全体的にダボついていて、Tシャツの首元は不自然なくらい伸び切っていた。桃香と一緒に動き回るたびに清潔そうとは言えないぼさぼさの長い髪の毛が顔まわりにまとわりつきながらだらしなく動いている。
公園という平和な場所にも同年代の子どもとも馴染んでいないその荒れた存在感は悪い意味で私の目を引いた。
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