アリスとラビーの新しい生活

アリスとラビーの新しい生活(1)

 翌朝、城内で暮らし始めたアリスは、窓を開け、深呼吸をしながら外の景色を眺めていると、目線の先にはここには似合わない都会の景色が広がり。後ろを振り向くと、ラビー王女はまだベッドの中ですやすやと寝ている。


 この2人、昨日、王の前で決意表明をしたあと、自分たち部屋に戻り。アリスはこれからどうするのか、パソコンに向かい考えている。

 あの能力、あの光、王様を治したあの光は何、わからない。でも、あの能力を磨き、極めれば、多くの人を救うことができるはず。


 アリスは椅子から立ち上がり。あの時同じように、右手を肩の位置まで挙げ、手の平を広げた。しかし、何も光らない、なぜ光らないのか考えてみた。

 すると、隣の椅子に座っているラビー王女が、あの時と同じ状況になればできるのではと言う。


 アリスは、椅子に座り、そのことをよく考えてみた。

 確か、あの時、王様は主人と同じ病気だった。そのことが王様と主人とダブって、絶対に治してあげる、その想いで頭がいっぱいだった。その想いがあの光を生み出し、治したいという強い想いがあの光を生んだとでもいうの。だしたら、いったいどうやって、あの時と同じ状況を再現すけばいいの。

 それに、あの光は、なんの病気でも治せるのか、他に用途があるのか、科学的に調べる必要があるわね。機材はこの世界でも集められる。できけば、体育館のような施設が欲しいわね。でも、ちょっと待って、もしかして、私は能力者になったの。だったら、ラビー王女のように、瞬間移動ができるとかも。

 そういえば、あの透明な球体の中で王様は浮はいていた。まるでおもちゃが入っているカプセルのように。あの技に名前をつけるとしたらなんだろう。ラビーならあの技を習得するのが私より速いかも、でも私も負けていられない。

 しかし、この世界は科学で証明できないことだらけ。たまに思うけど、何もかも科学で証明する必要があるのだろうか。

 もしかしたら、あの技を極めるために私はここに来たの、わからない。元の世界に戻れない可能性だってある。その時は、その時、ここで暮らすと決めていけど。だからといって、絶対に家に帰ることは諦めたくはないし、私がいなくなったことで、娘たちはどうしているのか。でも、私はいい人たちに巡り会った、この恩は必ず返す。アリスは、困惑の渦の中、とりあえずあの光をなんとかしなくてはと思っていると。ラビー王女が、城の敷地内を案内すると言い出した。アリスは、ラビー王女の案内で城内を見学することに。


 城内には、王の間、食事の間、王と王妃の間、厨房、多目的ホール、教会、他にもまだある。地下には、病院、コンビニ、図書館、映画館、ショッピングモール、従業員たちの食堂など。国家秘密会議室、危機管理室という部屋もある。アリスは、城内を一通り見学した。


 王の所有地は、カリフォルニアディズニーランドの面積くらいはあり。山の中腹を削り取ったような高い場所に自由の城がある。城の外見を見ると、まさしくシンデレラ城にそっくりで、ここから見える4階にあたる窓が、ラビー王女とアリスの部屋。

 森に囲まれ、自然豊かな感じだが、ここから数キロ先は都会のビル群が見え。ここから東に数キロ行った所には、あの小台丘の公園がある。

 ラビー王女は幼い頃から、なんかあるたびにあの場所に行き、芝生の上で寝そべり。今では、覚えたての瞬間移動でくることが多い。


 王と王妃も瞬間移動ができ、18歳になるとこの能力が目覚めると言う。他にも鍛えればいろんな能力が目覚めると言われている。王と王妃は、能力を磨くことには興味がなく、ラビー王女もそうだった。しかし、アリスが現れ、自分の能力を極めてみたいと思っていた。

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