アリスとラビー(4)

 翌朝、ラビー王女は目を覚ますと、アリスの姿が見えない。アリスは厨房で、王を含め4人分の食事を作り。できあがった料理は、卵焼き、サケの塩焼き、お味噌汁、ご飯、味付け海苔。これは、日本の朝食の定番メニュー。


 朝食の時間になり、王たち4人は席に着き。みんな美味しくいただき、朝食がすむと、王の目の前にアリスがいる。昨夜の決意したことを王に話すようで、アリスの後ろにはラビー王女もいる。

 アリスは真剣な表情で、昨夜の決意したことを王に話した。

 私にも家族がいます、夢もあります。正直、元の世界に帰りたい。しかし、私がここの世界に来たのは、なんらかの理由があると思っています。それがなんなのか、もの凄く知りたい。もしかしたら、なんの理由もなくこの世界に迷い込んだのかもしれない。この難問、私は必ず解いてみせます。その答えが、仮に10年後、いや20年後かもしれない。その答えこそが元の世界に帰る、扉を開く鍵、私はそう思います。

 もし、その答えが一生わからなかったとしても、ここで暮らすのも悪くないと思っています。なぜなら、私にはあなたたちがいます。ここで暮らすのであれば、この世界の人たちの役に立ちたい。私は、あの能力を磨き、極めて、多くの人を救うこともできるはず。

「王様、そのための協力をお願いします」

 アリスは、深々と頭を下げ。王は、頭を下げぬともアリスに協力すると言った。

 すると、突然ラビー王女は、アリスの弟子になりたいと言い出し。突然の申し出にアリス困惑している。

 ラビー王女は、たった1日だがアリスを見て、いろんなことを学びたいと思い。1番気になっているのは、あの技、気功法。自分もあんな風にできるようになりたいと、アリスの前を向く姿勢に感動していた。


 アリスは、ラビー王女の申し出を受け入れ、姉妹として一緒に頑張って行こうと言い。 この光景を見て、王はラビー王女に、お前の好きなようにしなさいと言い。王は嬉しかった、娘がやりたいことを見つけて。

 ただ、王女としてこの国を守って行かないといけないことは避けられない。しかし、まだ若い、いろんなことを学び、楽しく生きろ。だからと言って何をやってもいいわけではない、たまに無茶をするところがある。私もいろんなことを学びたかった、今からでも遅くはないか。王は、この2人を見て思い。今ここに、新しい風が吹いていた。

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