アリスおばあちゃん、異世界の扉を開く(4)

 ラビー王女は目頭を熱くさせ、お父さんの命を救ってくれてありがとうと、アリスに礼を言った。

 王はその光景を見て、あの2人はまるで姉妹のように見え、アリスにずっとここにいて欲しいと思った。しかし、アリスがここに来た経緯を知り。やはり、帰るべき場所があると。

 実は、検査結果が出るまでの時間、アリスは待合室で、王と王妃、ラビー王女に、ここに来た経緯を話し。なぜこんな体になったのか。そして、あの光はなんだったのか。年齢や職業、今までどんな人生を歩んできたか、自分の住んでいる世界のことを話すと。

 私は、主人をガンで亡くし、王様のCT写真を見て、どうしても治してあげたいと思った。その時、何か不思議なパワーを感じ、気がついたらあんなことになっていた。これは、気功術が進化したもの、そう過程すると納得がいく。私は超能力者になったのか、この世界がそうさせたのか、わからないことだらけだと言っていた。


 アリスは、王の計らいでこの城に住むことになり。部屋はたくさんあるのに、ラビー王女の部屋に一緒に住みたいと言い出した。

 アリスは1人っ子、幼い時、妹が欲しかった。80歳にもなり妹が欲しいと言う感覚ではない、心身ともに20歳の感覚。

「ラビー、今日から私はあなたのお姉さん、それでいいよね!?」

「えっ!? なんでそんなことになるの!? 勝手に決めないでよね」

「えっ!? ダメなの!? なんで!? どうして!?」

「別にダメとは、言っていないけど」

「じゃあ決まりね、今日から私のことは、お姉ちゃんと呼んでね、よろしく、ラビー」


 なかば強引に妹にされたラビー王女は、まんざらでもなかった。お姉ちゃんができ嬉しそう、ラビー王女も1人っ子。


 王はアリスに、困ったことがあったらなんでも言ってくれと言い。早く元の世界に帰れるように最大限の努力をする、協力は惜しまないと。アリスの後ろでは、ラビーは少し照れくさそうに、お姉ちゃん、私もいるからね、と言っていた。


 ここにいる、王妃も王に仕える者たちも同じ気持ち。アリスには心強い味方ができた。

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