第13話 憧れサングリア

夜更けの台所からこんばんは。


みなさんには『無性に惹かれてしまう食べ物や飲み物』ってありますか?

本やTVで登場するとつい見てしまう、毎日食べたいくらい好き、口にしたことないけどなんか好き……。

とにかくなぜこんなに? と不思議なくらい惹かれてしまうもの。


私の場合『パン』『炭酸飲料』『レモネード』『ピクルス』そして『サングリア』など。

これらが出てくる本はつい買っちゃうし、文字を見るだけでほわわんとした気分になります。


どうしてかなと考えたところ、どうも子どもの頃に憧れたけれど手に入らなかったものだからだと思うのです。


私の実家は常にご飯の食卓で、『パン』が登場することはほとんどありませんでした。絵本にパンが描かれているのを見るたび、憧れは増すばかり。


そして母はお菓子や『炭酸飲料』を買わない主義でした。友達の家に遊びに行くとシュワシュワと泡の浮かぶソーダを出してくれることがありました。そんなとき、こんなに美味しいものが自宅で飲めていいなと羨ましく思ったものです。


『レモネード』『ピクルス』『サングリア』は海外の本の中に登場したもの。

レモネードはオズの魔法使いの続編だったと思います。

ピクルスとサングリアはリチャード・スキャリーのどうぶつ絵本でした。いや、サングリアはもしかしたらフルーツポンチだったかもしれない。それくらい曖昧ですが、憧れだけはしっかり記憶しているわけです。


洋風な食べ物飲み物にまったく縁がなかったので、「どんな味なんだろう。さぞかし美味しいに違いない」と胸を躍らせていました。


憧れの反動はものすごいもので、パンと炭酸飲料は毎日でもいいし、レモネードとピクルスとサングリアはしょっちゅう作ります。それらが特集された本は必ず手に取ります。


幼少期に抑制された嗜好は、まるでアスファルトを押し除けて咲く花のようにタフであり、しかも大輪のようです。



【深水家のサングリアの作り方】


材料はワイン、好きな果物、レモン、あればシナモンスティックやクローブ。


ワインは安いもの、余ったもの、口に合わなかったもので充分です。白ワインで作ると『サングリア・ブランカ』と呼ばれます。


果物はオレンジや林檎、桃、ベリーなどお好きな組み合わせで。

コンビニでもよく見かける冷凍カットフルーツをそのまま使うのも楽でおすすめ。


オレンジやレモンはくし形に切り皮を剥きます。白いところを残さないのがコツ。


あとは全部漬け込んで飲むだけ。

甘口がお好きなら砂糖や蜂蜜を足しても。


そのままでもいいし、炭酸水で割っても美味しいです。


酒税法の関係もあるそうですし、保存もきかないので味が馴染んだら早めに飲みきりましょう。大丈夫、多分思った以上にあっという間になくなります。


どうぞ召し上がれ。

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