S10.1 【衝撃】死んだはずの夫が帰ってきた。夫「昔の自分を励ましてきた」→翌日、夫は消えていた。ある物を残して・・・ 5月14日

――光綿市 光綿支部紅葉――


帯刀「ご主人様は私の側にずっといればいいんですよ。そうですよね?私の庇護下に置かれてぬくぬくと生きていくのが幸せなんです。そうですよね?」

瀬川「そうだね。離れてくれないか……?お客がいないとはいえそんなにひっつかれると暑い」

帯刀「嫌でーすー。そういって私の目の前から消えてしまうつもりなんでしょう?知ってるんですよ?いつもかっこつけたがりの自己犠牲精神持ったダメダメの子供大人なんだって」

瀬川「そんなはっきり言わなくてもいいじゃないか……」


風鳴「ここんとこずっとこうだと、もう前みてーにキリキリ働ける気がしねーな」


帯刀「いいじゃないですか。私、ご主人様とみんなといっしょにこうやってぬるま湯に浸かってただ甘いだけの夢を見るの、好きですよ」

風鳴「お、まさか肯定されるとは思わなかったな。――確かにこうしてるのは楽でいいし俺も気に入ってるぜ。自由に外に出にくくなったのだけはまぁしょうがねぇしな」


稲生「――いちゃいちゃ、するのは、いいですが……。ちゃんと、給仕も、してくださいね……?」


帯刀「えー?やーですよう。私はこうやってひっつきますー!!」

瀬川「はぁ……。仕事にならん」


花園「うーっす……。あー外クソ暑い畜生……クリームメロンソーダ1つくれー」

元木「いつの間に夏になったんすかね……。暑いのに熱いことっすね……」


ハコベ「はーい。おせきはこちらでーす」

風鳴「らっしゃーい、こうやってると身内から金ぶんどってる気がしてくる商売だな」

稲生「だって……邪魔したら、斬られちゃう、から……」


瀬川「モテる男はつらいよ……。剥がすの手伝ってくれないか?風鳴くんも稲生くんも手伝ってくれないんだ」

帯刀「ご主人様昔はモッテモテだったんですけどねぇ……。今じゃキモいおっさんですよおっさん。あの王子様スマイルどこいったんですか?ねえ??」


花園「悪いがモテる男には手助けしないと決めてるんでな」

瀬川「そんなものは最初からないよ……。薄情者が多いよここは」

帯刀「ま、私がいるから大丈夫ですよ。ダメダメでも情けなくてもご主人様は私には1人しかいません」


花園「紅葉自体、薄情の塊みてーな組織だろうに。それに、ホントに困ってるなら自分で引きはがせるだろ」


瀬川「車椅子だとそうもいかないんだよ……。今日は闇をこなそうと思うんだが、まだの人は誰だったかな?」

花園「あー……。あー、まあ、うん……そうだな」

元木「俺、俺っす……!」

風鳴「へいお待ち。ちょうど今来た2人はまだじゃねーか?」

稲生「うえ……闇……やだ……」


瀬川「そうか。じゃあ今日は元木くん、やろうか。ちょうどクラスメイトもいないし気分が楽なんじゃないか?」

元木 「っし!やっとっすか……!」

花園「できればやりたくねーが、残るのはそれはそれで落ち着かねーな」

風鳴「なかなか面子も集まらねーし、思ってた以上に終わんねぇもんだな」

瀬川「あんまり急にやるとメンタルが不安定になるからね。スパルタなところだと毎日やるらしいが……。――それは僕が持たない」


▶瀬川はブラックライトをあてて、黄色い悪鬼を出します。そしてライトを覗き込んでいますね


元木「ま、ライト当てられただけじゃどうとも思わねえっすね……。でもこれで……」


瀬川「あー……。まあ大丈夫だとは思うよ。無責任な言葉に聞こえるだろうけどね」


元木「ま、瀬川さん安心してくださいっすよ。俺はぜってぇ大丈夫っすから」

花園「フラグなんだよなあ……どうにもやべー感じがしてならねえぞ」

風鳴 「なるほどな。面子も少ない分、気合い入れてかねーとな」

稲生「うぅ……嫌だけど……頑張らなきゃ……」

元木「帯刀さんや瀬川さんを除けば俺が一番古株なんす……。だからなんの心配もねぇんすよ……!」


――幽艶たる深淵の常闇ノ底――


▶大きな赤いマントをした、かなり大人で、無精髭の元木が空中に浮かんでいますね。大量の十字架が立ち並び、まるで墓場の墓場のような情景です


?「やーっと来たか。古からの来訪者よ。俺たちの交差する運命が終ぞ重なったこの日を待ちわびていたぞ!」


花園 「……初めて見る顔だな、一体何処の誰だあれは」

元木「ほぉう、古と言ったか、ならば貴様は悠久の果てに位置する俺というわけか?」


?「星々の虹輪がなければ交わることがなかった世界の俺よ、貴様は何を求めてここへ来た?」


?「ただ殺戮を楽しむために、――それとも自分を殺せばいいや、なんて軽い気持ちで来たわけではあるまいな?」


元木「無論だ、自身を打ち倒すということは自身を殺すということに直結する。しかしその先に行かねばならないのでな。俺は」

花園「話は終わったか?そろそろやるか?」


?「トゥヤ ドゥンエディンスティ プディウムワンスー, トゥエアイ. ティアンム バアエティ ドゥイ ヤイオ バエムティ トゥン ティイ ドゥイ? ヤイオ クムンバ ティアンム ティアエティ ブンウムグ ディウグアティ バエス ムイ フオム.」


?「何も殺し合いをするだけが闇ではない。未熟者はそこで這いつくばっているといい」


▶指を振りかざした途端に重力が重くなり、花園は立っているどころか意識を保つのもやっとな状態になります 精神90ダメージ[林檎の板]


花園「う、ぐ……。なあ、俺もう帰っていいか……?」

風鳴「いつにも増して試練って感じだな。関係なくても見届けるもんだろ、ってか何してんだコイ……」


?「乗り越える、と言ったな?その先に行くためには正しき行いが必要なのだ」


?「トゥヤ ブンルイヌンドゥ プディウムワンスー, ティスオトゥオグウ. ムイ トゥエティーンディ アイバ トゥオワア ディンユンワティウイム ウ グンティ フディイトゥ ヤイオ, ウ'トゥ ティアン イムルヤ イムン バアイ バイム'ティ ドゥンムヤ ヤイオ. ブンワエオスン バン ムンードゥ ヤイオ.」


花園 「心が折れるってのはこういうのを言うんだろうな……」

元木「正しさ、と言ったか。正しさなぞ個々に準ずる基準だ。俺の正しさは俺が決める。お前の思う正しき行いとはなんだ?」


タダシキモトキ「――さて、ごっこ遊びはおしまいだ。俺よ、どうやらお仲間は殺し合いをお望みのようだ。俺としては中二病っぽいワードを羅列してそれっぽく導くのもありだったんだがな。残念だ」


花園「戦わずに済むならそうしようぜ、もう今日は多分ダメな日だ」


タダシキモトキ「だがな、俺の思う正しき行いっていうのは自分で決めるものなんだよ。殺し合いをしようとしてるのは俺の仲間で、どうやら俺はその正しさを遵守してやりたいと思う」


元木 「よくわかっているな!俺。流石は俺だな!俺の仲間は小難しいのが苦手でな!」


タダシキモトキ「俺は正しいことをしている。昔の俺だって正しいことをしようと思っている。俺は自分の正しさを示した。次に示すのはお前の番だ」


▶戦闘前行動 タダシキモトキ 正しさのための礎(致命傷判定を5回以上降った場合のみ、ダメージ判定の効果を受ける)

▶戦闘前行動 元木 鈴瑚 うどんげ

▶戦闘前行動 風鳴 石を拾う

▶戦闘前行動 稲生 イスティドラール


風鳴「口火を切ったのはお前だぜコイ。腹ぁくくれよ」

花園「なんだよー!やらずに済むならそう言ってくれりゃーいいのによー!」


タダシキモトキ「喧嘩を売ってきたのはお前だ。話し合いの意思すら尊重できないのに劣勢になると命乞いか?」


花園「別に死なねー為なら命乞いだってするぞ俺は」

元木「なぁに、結局こうなることぐらいは想定済みだ。なぁ?俺」


タダシキモトキ「わかっているじゃないか。が、俺は殺し合いはしないぞ。嫁も子供もいるんでな」


風鳴「マジかよ」

元木「……ほぉう」

稲生「結局……。戦いは、避けられない、のかな……私の時、みたいに……」


タダシキモトキ「俺はお前の手伝いをしてやることにする。正しいとお前が信じる限りはな」


▶タダシキモトキ エレメントトラップ[ディープワン(闇魔法10d9)][立場逆転(スキルの敵味方表記を逆にする)]エレメントボム[ディープワン]

▶花園 ナズーリン[高級牛乳] 高級牛乳

▶鎧が多段変形してアイテムが出てきますね


花園「取り寄せポケット、ってか……。これどっから出てんだ?」


▶元木 弁々[エレメントボム:ルーミア]


元木「正しき事……か 『ザメルメ』!」


タダシキモトキ「それでいい。さあ、頑張るといい。――ああ、そうだ。君たちの思い出はここでは意味がない。何故なら俺とは関係のないものだからな」


タダシキモトキ「時空間転移の出来る俺と、そうではない昔の俺。どちらが正しいのか当然わかるだろう」


花園 「納得、ねえ」

風鳴「あん?じゃあお前とタケシが納得の行く答えが出るまでこのままっつー事かよ」


タダシキモトキ「そうではない。俺の正しさを示したのだから、そっちの俺が正しさを示せるかどうか。それだけだ。納得がいくかどうかは空間が決めることだ」


花園「だとさ。そうなると俺の出番は無さそうだ」

風鳴「……らしいぜ。なら胸張って示せるようにいつも通りやってくぜ」

元木「ふむ……何をもってして正しいとするか、空間転移の出来る出来ないが、何にとって正しいというのか、理解しかねるな」


▶稲生 待機

▶風鳴 破壊陣[結界壁]結界壁 [リジェネ]

▶稲生 にゃーん[柳浪・裂帛・レタブリスマン]

 16回復


風鳴「1個ありゃいいだろ、1個はこうさせてもらう。っと」


タダシキモトキ「自分がどうすればいいか、何が正しいかすらわかってないで夜叉をやっているお前が一番ダメなんだよ。感情に惑わされてる時点で未熟なんだ」


風鳴 「っと、サンキュー」

花園「助かる」

元木「ほう、俺たち夜叉として正しいことか、羅刹をぶっ潰し、事前に未曽有の危機を回避する。命を賭けてな。ならば悪鬼をぶっ潰すことが俺たちのすることだ」


▶対峙する中央に篝火が3つふわふわと出てきます。タダシキモトキはそれを見て、苦虫を噛み潰したような顔をして、話し始めます


タダシキモトキ「そうだな。大は小を兼ねるかどうか、だが。この空間は深淵の墓と言ってな。生殺与奪が思いの儘なんだ。だから殺し合いをする意味もないわけだ」


タダシキモトキ「この炎の左から、花園の妹、浅倉の兄、百瀬の母だ。この篝火が消えた途端、そいつらの命の灯火も消える。――仲間は大事だ。今の危機の為に小を切り捨てるか?それとも、仲間を殺してでも俺を殺すか?」


元木「決まったな。俺は迷わんぞ」

稲生「外道……」

花園「……おい、マジか?」


タダシキモトキ「マジもマジ。大マジだ。何なら代わりに俺がやってあげてもいいぞ」


花園「はぁ……、他の奴らならともかく、俺の妹巻き込むってんなら話は別だ」


タダシキモトキ「正しい行いの為に大を持って小を切り捨てる。必要な戦力の為に、必要でないものを選別する。何もおかしくはあるまい?」


元木「そうだ、俺たち夜叉はいわば戦士、命を賭して戦う。散る覚悟は出来ている。だが、民間人は違う。故に俺は貴様を殺す。血濡れの道を歩んでな」

花園「今んとこ、俺にとっては妹より大きいモンはねーんでな」


タダシキモトキ「ま、俺が用意したわけじゃねえがな。深層意識で、お前が切り捨ててもいい命を空間が選別してるだけだ。所詮民間人なんて守ってもらえるだけのぬるま湯に浸かっている雑魚とでも思っているんだろう」


風鳴「居合わせてもいねーのに巻き込まれるってのはそういう仕組なのか。世界は残酷ってよく言われるだけあんな」

元木「俺も人間だ、否とは言い切れん。選択肢を用意しなければならないというのなら選出するかもしれん。だが己の正義は曲げん。何のために戦っているのかを見失わない」


▶元木 ナズーリン[厚い薄い本]夜鷹の爪跡[星屑の破者・キッコロ]霞二段 通常攻撃[星屑の破者・キッコロ]

 成功 成功 失敗 失敗 13ダメージ 2ダメージ[エレメントトラップ]39ダメージ 31ダメージ

▶割り込み 正しさのための礎 チェック (致命傷判定0/5) ダメージを全て無効化にしました


タダシキモトキ「おいおい。八つ当たりしたって無駄だっての。言っただろ?俺の正しさを示して時間稼ぎはやってやってるんだ。同士討ちするなり、そこの篝火なり消してくれよ」


タダシキモトキ「俺だって巻き込まれてるんだぞ?嫁さんとこに帰らせてくれよ」


風鳴 「あいつも巻き込まれたんなら、この空間を直接壊す手段でも探したほうがよさそうだな」

花園「けっ、そう思うんならとっとと帰るか死んで欲しいモンだがな」


タダシキモトキ「だから帰るための手法を取ったんだろうが。本来壊せないものを壊せるようにしただけ感謝しろよ。シスコン拗らせすぎて脳みそバカになってるんじゃないか?――後、悪鬼そのものを壊すならコアを殺すということだ。コアはお前にになっているんだよ。昔の俺」


元木「悪鬼は、その悪鬼を生み出した羅刹を倒すと消える。――なるほどな。理にかなっているな」

風鳴「今のタケシがコアか。あん時の俺みてーに紐付けられたってことか」

花園「……じゃあ何か?コイツをぶん殴って始末しちまっても解決ってか?」


タダシキモトキ「そうだ。昔の俺だからできればご遠慮願いたいし、こいつだけ始末しても無駄だがな」


タダシキモトキ「おすすめは息を吹くだけで消えるあそこの人魂だ。面倒だし俺が代わりに消してやるよ。ちょっとずつそっち向かうから、それまでに決めてくれな」


元木「ご足労には及ばんよ、アテが外れたが大体わかってきたからな」

花園「けっ、俺の妹巻き込むようなクソみてーな世界に生まれたのが不幸ってとこだな」


▶花園 ナズーリン[厚い薄い本] 剛招ビート[鋭招来] 通常攻撃[大剣の鈍撃(深赤・辰砂・アグレス・アーンヴァル)] 元木

 失敗[人間振り直し]

▶花園は篝火を背にして大剣で元木に斬りかかるよ


花園 「ま、そういうわけだから恨むなよッ!」


元木「それは俺からも同じことを言わせてもらうぞ。妹を助けたいんだろう?」


花園「『妹を守る』、『自分が生き残る』、両方やらなきゃいけねーのが辛いところだが……、やるっきゃねーよなあ」

元木 「俺たちが戦っているのは悪鬼は理不尽そのものだ。死んでも死なない夜叉でしか対抗できん。俺は俺の正しさを貫く!」

花園「後で起こしてやっから今だけは寝とけ!元を辿ればお前の闇なんだからな!」

元木 「合理的だな。だがここに来た目的を忘れるなよ?」


▶稲生 待機

▶元木 チームワーク

 2ストック獲得

▶風鳴 釣られクマー 破壊陣[なし] 通常攻撃[峰撃ち、足刀蹴り[上段足刀蹴り]アグレス][リジェネ]

 ファンブル[何もなし]


風鳴「んじゃあこれももう必要ねーな、解除。俺の時と似たパターンなら気絶すりゃ何か起きるかもしれねぇ。死なない程度に躱せよタケシ!」


▶風鳴が小太刀をぶん投げ風で加速させて斬りつけますが元木は避けますね


元木「ハヤテ、お前は初対面の俺にも気さくに接してくれたな」

風鳴「ああ、俺は誰とでもそうだからな。今も変わらねーよ」


▶タイムカード 釣られクマー 通常攻撃[峰撃ち、足刀蹴り[上段足刀蹴り]アグレス]

 成功 58ダメージ


風鳴「恨む時はちゃんと恨めよ、ハァッ!」

元木「気の利く奴だよ、お前は」


風鳴「それとちゃんと言っとくぜ。あっちのタケシに手をわずらわせるのはわりぃ。――間に合いそうになかった時は、俺がそれを消すからな」

花園 「……俺の妹を巻き込んだ日には、俺自身どうなるか分からねえけどな」


▶稲生 サモン鳥[輪廻彩声]

▶サモン鳥 通常攻撃 元木

 12ダメージ

▶元木 致命傷判定

 ストック消費

▶サモン鳥2 通常攻撃 元木

 10ダメージ

▶元木 致命傷判定

 ストック消費


花園「……そっちの元木にはこっちが終わるまで待ってて欲しいところだが」

稲生「私は……。――あの時の、ことを、恨んでいは、いません……。今と、同じような状況、だから……。だから、せめて、何とか、凌いで……」


▶稲生の呼び出した炎が倒れ伏した元木の身体を焼き、啄ばみます


元木「――ガァフッ……!」


タダシキモトキ「あーあー。俺やられちゃってるよ。自己犠牲精神は良くないって教えてもらわなかったのか?」


風鳴 「ま、犠牲役をやらせてんのは俺らだ。勘弁してくれや」

花園「自己犠牲はしてねーさ、そもそも元木の闇とやらのせいで俺の妹が巻き込まれてんのがおかしい話なんだからな」


▶花園 チームワーク

 1ストック獲得

▶花園 ナズーリン[厚い薄い本]通常攻撃 元木

 成功 13ダメージ

▶元木 致命傷判定

 ストック消費


花園「全く、心が痛むぜ。俺みたいな善良で繊細な人間には辛い話だ」


タダシキモトキ「じゃあ代わりに俺がそこの火消してやるよ。すぐ終わるし、お前には被害もいかないぞ」


花園「だったら、こっちの元木を適度に殴る手伝いをして欲しいもんだな。――どうせ見てるだけだろ、お前は」


タダシキモトキ「そりゃあね。お前も一度自分を殺す経験をしてみるといい。よほどの覚悟がないとできなくなるさ」


花園「はっ、覚悟なんてあってたまるかよ。日々大人しく懸命に過ごしてたらこんなクソみてー事に巻き込まれてんだ。平和と平穏と可愛い女の子をこよなく愛する男だぜ、俺は」


▶稲生 リザレクト


元木 「――自己犠牲だとかなんとか聞こえたがな、俺はなにも犠牲にはしない。俺の持てる力で俺の届く範囲を救う。その範囲を伸ばすためならなんだってする!」


タダシキモトキ「理想は理想だがな、茨の道だぞ?汚い人間のエゴに振り回されるくらいなら楽な選択肢をとってもいいんじゃないか?いつだってそうだ。楽な選択肢を取ったから今の女ともまともに会話も出来ない、目も合わせられない、好感度は下がる人生を送ってるんじゃないか」


▶サモン鳥 通常攻撃 元木

 10ダメージ[生命バリア]

▶元木 致命傷判定

 成功

▶サモン鳥2 待機

▶風鳴 釣られクマー 破壊陣[足場]牛乳 石投げ[石]投擲で判定 元木

 2ダメージ

▶元木 致命傷判定

 成功


稲生 「ごめん、なさい……。何も、出来なくて……」

元木 「――カハッ……」

風鳴「……通した、ぜ。はぁ、世話掛けたな」


タダシキモトキ「おっ、やりやがったな。じゃ、お別れだ」


▶モトキの身体が透け始めるよ


タダシキモトキ「良かったなぁお前。呼ばれたのが死人でよ。元から死んでたんならボーナスゲームだわ。――このクソみたいな空間も潰れてくれて、俺も万々歳だわ」


▶空間が崩れ始めます


風鳴「そうかよ。じゃあ後はゆっくりしてくれ、こっちのは任されるぜ」

花園「二度と勘弁だ、こんなクソみてーな作業」

稲生 「違う可能性の、自分……。――そういう、ことか……」


タダシキモトキ「あ、そうそう。花園、お前の闇。俺は二度とやりたくねーからな。俺は呼ぶなよ。じゃあな」


花園「やめろよそういう事言うのをよお!」

風鳴「マジかよ。俺も辞退すっかなコイのは……、ってそうじゃねぇな。イナオイ、崩れきる前に治療頼むわ!さっさと出るぞ!」

花園 「あああああもう嫌だあああああ!こんな話聞いてやりてーなんて思わねーよクソォオオオオオオオ!」

稲生「ん……分かり、ました……」


元木「――カッコつかねぇな、コレじゃ……。でも、これでよかったのかもな……」


▶俯向いてボソボソ呟きます。動くのもやっとのようですね


稲生「……身体は、どう、ですか……?――なるべく、抑えるようには、指示、しましたが……」

元木「俺がこうして再び立ち上がったことでバッチリだったってことだぞ。イナオ、お前は上手くやった。帰るぞ!」


――光綿市 光綿支部紅葉――


帯刀「瀬川さん、もし……私がいなくなっても探してくれますか?」

瀬川「そりゃね。帯刀くんがいないと光綿市の悪鬼が大量発生して、ただでさえ少ない戦力を擦り減らすことになる」

帯刀「そういうことじゃなくてですね……。まあ、いいです。昔……、瀬川さん。私のこと、猫みたいって言ってませんでした?」

瀬川「ああ。今もよくわからないタイミングでひっついてくるの含めてそうだと思っているよ」

帯刀「猫は恩返しするんですよ?映画でやってました」

瀬川「僕には覚えがないかな……。でも、僕も感謝されるような人間だったんだなって少ない自尊心が満たされていくよ」


元木「……っす。瀬川さんバッチリだった、って言いたかったんすが……、なんとかなったっす……」

花園 「あああぁぁぁぁああぁぁぁぁもう嫌だ……なんでこんな目に遭わなきゃいけねーんだ……」

稲生「はぁー……。すごく、つかれた……。やっぱり、闇は、やだな……。――ましてや、大切な人たちを、巻き込むような、外道とは……」

風鳴「あぶねー橋渡だったな。お疲れさん」


瀬川「おつかれ。死人の魂を握り潰すだけの簡単な作業だっただろう?紅葉の方針だとボーナスゲームっていうらしい」


花園「そんなんだから紅葉って組織は信用できねーんだよなあ……」

元木「死人の……?」


瀬川「大義をなす為には個を切り捨てるのが紅葉だからね。個を切り捨てる方針の差としては冬泉よりはマシではあるんだが」


風鳴「しかし改めて分からねぇ空間だったな。あの空間そのものに生殺与奪の権があって、無関係の魂っていうのか?あれをもってこれんなんてな」


瀬川「魂なんてものは曖昧なものなんだよ。あるかどうかわからないものを持ってくるのなんて、それこそ変身して殴り飛ばすのと原理としては変わらないんだ」

瀬川「それによって、――不幸な事故で死んでも夜叉の責任ではなかったりするわけだね。だって、魂があるという根拠がないんだから。ないという根拠もないけどね」


風鳴「なるほど、案外1番保証されねーもんなわけか」

元木「ちょっと理解したくないっすね、今は……」

花園「はあ……。結局何かあれば見捨てる組織ってことか。そりゃあまた結構な事で……」


瀬川「さて、元木くん。紅葉へようこそ。僕は心から歓迎するよ。――後、裏切ろうとは思わないことだ。身内の粛清を専門にした執行者みたいな職業があるくらいだから」


花園 「そうですかい……。裏切られるような使い方してなけりゃあ、なあ。――聞く限りじゃあここはまだマシみてーだが」


瀬川「英雄になっても斬り捨てられるんだ。でも、共産主義ってわけでもないのが珍しいところだよね。あくまで秩序の為に王の側仕えに置いているピエロのようなものなんだ。――関係なかったね……。今日は好きなものを食べていくといい。今は食材も余らせ気味だしね」


元木「……へへ。――お言葉ですが、命かけてまで戦って裏切るなんてこと、微塵も思ってねぇっすよ。」


瀬川「一応だよ一応。どこからか常に監視されているからね。定期的に釘を刺しておかないとダメなんだ。要は僕の保身だよ」

風鳴 「出す客がいねーからな。んじゃ、祝品は力入れて作りますかねぇ」

花園「――皆を見てると、俺はとても闇を越えられそうに思えねーなあ……。後回しにしてーなあ……」

ハコベ「おりょーり、おりょーり」

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