第35話 海鳴り

短歌一首


白百合がたゆたう波に

サイレンの余韻が融けて

海鳥は哭く




穏やかな海

誰が手向けたのか波間には白百合が漂っている

防災のサイレンが丘の上から街へと鳴り響く


そのまま海と一つになっていく様は、鎮魂の祈りにも似ている


誰の哀しみか・・・

海鳥は哭いている

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

口笛短歌 今本豊明 @dasaiossan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ