第31話 吉野の里に 降れる白雪
『先生、先生、見ましたよねぇ?』
『あれぇ、どうしたのかなぁ。突然?』
『もう、どうしたのかなぁ。突然って?』
『ごめん。何の事か…わからないけど…』
『もしかして、夢を見ていないんですか?』
『いやぁ、見てないけどなぁ…』
『先生はフェイスブックやツィターはやってますかぁ?』
『フェイスブック?ツィター?』
『あぁ…最近、始めたけど…あくまでも、小説の更新などに使っているけどなぁ。』
『もしかして?かなりのフォロワー数がいたり、フォローしています?』
『あぁ…それなりには…』
『そうなんだぁ。これから、話す事は真剣に聞いてもらいたいのですが…』
『解ったよぉ。でぇ?』
『『でぇ?』って。ちょっと、軽くないですか?反省してます?』
『よくわからないけど…反省してます。すいませんでした。聞きますよぉ。これで良いかなぁ。』
『まぁ、椅子に正座するまでは…大丈夫ですけど…』
『では、これで良いかなぁ?』
『はい。真面目なのかぁ…不真面目なのかぁ…解らなくなるけど。それが先生よねぇ?』
『先生は浮気した事はありますか?』
『えぇ…突然、どうしたのかなぁ。浮気はされた事はあるけどした事はないなぁ…。あぁ…知らずに付き合って浮気になった事はあるなぁ…。どうも、年上からもてるタイプでねぇ。』
『もう、面倒くさいなぁ。結果としてないのねぇ?』
『まぁ、そうなるなぁ…付き合ったら一途だからなぁ。あぁ…それから、好きな人が出来ても一途だなぁ…。』
『なるほどねぇ…一途ねぇ?本当に?『もしも、余命が後、僅かで1度だけデートして欲しいと言われたら?』どうするのぉ?』
『そうだなぁ…躊躇なく、行くなぁ…。余命が僅かなら、最高の演出をするさぁ!』
『ちょっと、ちょっと、それは絶対にやめて欲しいなぁ…。』
『いやぁ、無理だなぁ…。余命が僅かという事は死んでしまうだろ?きっと後悔するって…悪い事は言わないから助けてやるのが人間だと思うなぁ…。あぁ…でも、好きにならなきゃ、逢わないけど…』
『それって、下心ありの発言に聞こえるけど…?』
『馬鹿だなぁ…。下心があっても、男性より女性の方が気持ちが良いのさぁ…。それに、寧ろ、心の恋愛の方が気持ちが良いけどなぁ…。』
『えぇ…そうなんですか?』
『そりゃそうさぁ!好きでもない女性と交わった後に手を差しのべて腕枕って…ある意味、拷問さぁ…。もちろん、その場の雰囲気でやりたくなることはあるさぁ…。でもなぁ…誰でも寝る事はしないって。最高らしいけど…』
『そうなんだぁ…男性は誰とでもやる狼かと思った。(最高って…あぁ…確かめたい)』
『おい、おい、狼って…古いなぁ…。というよりも、狼はやめて欲しいなぁ…。』
『えぇ…どうして?』
『前にも伝えたけど…動物占いが『狼』なんよぉ。』
『確かに、『狼』って言うよりも、『猿』かなぁ。』
『そうかなぁ…まぁ、夜はそうかもなぁ…』
『嫌だぁ…。もう!』
『おい、おい、赤くなっているなぁ。可愛いなぁ…。』
『もう、先生ったら。でも、別れる事はしないで欲しいなぁ…。どんな状況になっても…大丈夫?』
『あぁ…もちろんだぁ!』
『今だから、伝えるけど…私の友人とツィターでフォロワーになっている人はいませんか?もしくは、フェイスブックで友達になっているとかラインの友達はいません?えぇ…誰かなぁ…いるかなぁ…。見ても良いけど…』
『あぁ…本当だぁ…小説関係の人や先生のファンだけだなぁ…あぁ…ちょっと待って、『雪さん』って…もしかして?知っているかも?ちょっと、待って『雪さん』は私の大学の同級生だぁ…。』
『えぇ…そうなんだぁ。たまたま、ツィターのフォロワーになって仲良くしているけど…』
『あんまり仲良くならないで欲しいなぁ…。』
『えぇ…どうして?最近、体調が悪くて『仕事』をやめて息抜きがしたいらしいけどなぁ…。』
『なら、絶対に2人では逢わないで…お願い。』
『えぇ…よくわからないけど…もしかして、夢に出てきた?』
『あぁ…もう、そうよぉ!だから、逢わないで欲しい。』
『そっか、なら逢わなきゃな。』
『どうして?』
『お互いに大切な友人なら、逢わないでいる訳にはいかないよぉ。それに、少ない友達の1人なんでは?』
『そうよぉ。友達なのぉ…大学時代もすぐに体調が悪くて、留年しないようにいつも気をつかっていたなぁ…。悪い人ではないけど…いつも、遠くからのぞかれている感じはしていたなぁ…。大学を卒業してからは疎遠になっているけど…とはいえ、私も影が薄かったし、門限もあったから、図書館や授業とレストランで一緒にいるだけだったかなぁ。』
『なら、友達という関係ではないと思うなぁ…』
『えぇ…そうですか?』
『そりゃそうだよぉ。友達なら、学校の帰りにカラオケに行ったり喫茶店で恋話をしたり、旅行に行ったりするもんさぁ。大学時代はバイト仲間と朝まで飲んだり、ナンパをしたなぁ…』
『そうなんだぁ。知らなかったなぁ…だからかなぁ…いつも、のぞかれている感覚があったのは…』
『そりゃ気になるって、大学生で門限があるのは…それに、少し憧れるのでは?もしかしたら、何処かのお嬢様だと思っていたかもなぁ…。』
『えぇ?そんな事はないけどなぁ…』
『久しぶりに電話してみたら?』
『そうしてみますねぇ?』
『そうだねぇ…それが良いかもねぇ?あぁ…せっかく来たんだから、原稿持って行ってねぇ?では、又連絡するねぇ。』
『はい。』
『あぁ…もしかしたら、先生は雪さんとは仲良くなっているのかなぁ…不安だなぁ…。でも、特定出来たから良かったなぁ…。後で、電話しなきゃなぁ。』
『あぁ…良かった。まさかなぁ…雪ちゃんだったのかぁ…。それにしても、一緒にご飯もして、最近はカラオケにも行ったりと楽しんでいるからなぁ…困ったなぁ…最近は稲村さんも少し束縛がおもいから少し距離をおきたいけどなぁ。あぁ…そうだぁ。癒されたいから、電話しようっと。』
『あぁ…もしもし、雪ちゃん?』
『あぁ…瞬ちゃんどうしたのぉ。』
『ちょっと聞きたいけど?稲村 久美さんは知っていますか?』
『えぇ!久美ちゃんを知っているんですか?』
『私の同級生で唯一の親友ですよぉ。どうして知っているんですか?』
『実は今、売れていない小説家をしているけど…出版社の担当が稲村さんなんだぁ。』
『へぇ、そうなんだぁ。大変だねぇ?』
『そうなんだぁ…綺麗な人ではあるけど…最近は束縛がきついと言うかぁ…少し、うざいなぁ…っと感じていて…癒されたいなぁ…っと。』
『そうねぇ…大学時代も何かと心配性でおせっかいだったなぁ…。すぐに、説教する癖があったなぁ…。でも、友達もいないから頼りにしていたから悪い気持ちはなかったなぁ…でも、今は疎遠だけどねぇ…。良かったら、瞬ちゃんの好きなハンバーグを作ってあげるから遊びにくれば?』
『えぇ!良いのぉ。後で行くねぇ。』
『待ってます。』
『あぁ…久美からだぁ…何のようかなぁ…』
『もしもし、お久しぶりです。雪さん、元気ですか?』
『あぁ…お久しぶりですねぇ?突然、電話をもらえてうれしいなぁ…(こいつは大嫌い。)』
『最近、坂浦先生と仲良くしていると聞いたから、ビックリしてねぇ?私は今ねぇ?坂浦先生の担当をしているのぉ…念願の担当になれたんだぁ。』
『あぁ…そうなんだぁ。良かったねぇ?』
『ところで、雪さんは今、体調を壊して仕事をしていないでしょ?大丈夫なのぉ?お母さんも体調が悪いと聞いたけど…頼れる人はいるのぉ?』
『もしかしたら、馬鹿にしてる?母親は亡くなってだいぶ経過するけど…私は学費を稼ぐのに大変だったけど…その事も知らなかった?』
『えぇ!体調が悪かっただけじゃなかったのぉ…。母親が亡くなった事は今、始めて聞いたわぁ…ごめんねぇ。』
『いいやぁ。許す訳ないでしょ!あなたの一言で、私が死にたくなって…自殺未遂した事は私の中では深い傷になったわぁ。』
『えぇ…私が何か言ったのかなぁ?』
『覚えていないみたいねぇ?『家族はいない方が良いわぁ。束縛がきついから門限もあるし…自由な雪さんがうらやましい』って言ったでしょ?』
『だって、まさか、唯一の母親が亡くなっていたとは知らなかったから…』
『そんな事はないわぁ。学生課でも、母親が亡くなった事は掲示板に貼ってあったわぁ。知らないのはあなただけよぉ!その時から、私はあなたを許さない。』
『ちょっと、ちょっと、待って!雪さん。唯一の親友でしょ?』
『はぁ?親友?あり得ないから…あなたが門限があるお嬢様だと思ったから、仲良くなろうと思っただけよぉ。『あなたのすべてをもらう事にしたからねぇ?宜しくねぇ?』』
『えぇ…どう言う事?』
『あなたは、坂浦先生を大好きよねぇ?大学時代もいつも、坂浦先生の作品を愛読していていたのは知っているわぁ。就職先も雪村出版だけを受けて念願の担当になり、あれほどのイケメンで真面目な性格も良く、女性の読者も多いのに、担当初日からお互いに惹かれ合うとは…』
『えぇ!仲良くしていたのに…』
『はぁ?仲良くねぇ?いつも体調が悪いから大丈夫?無理しないで…って…大きなお世話だったし、学校の勉強は簡単過ぎて落とす事はなかったのよぉ。私が頭が悪い振りをしていたから…授業のノートを渡して満足していたと思ったかしら?』
『えぇ…そんな…』
『先生、先生、私です。私…私…どうしよう?』
『どうしたのぉ?稲村さん?』
『実は雪さんが私を嫌っているみたい何ですよぉ。』
『えぇ…そんな事はないと思うなぁ…笑顔が素敵で、モデルのように綺麗な人だけどなぁ…それに、性格は最高に優しいし、魅力的だけどなぁ。』
『えぇ…そんな人ではないですけど…』
『あぁ…良かったら、食事に誘われているから行きますか?』
『大丈夫ですか?』
『あぁ…雪さん、これから、稲村さんも一緒に来るけど大丈夫ですか?』
『はい、大丈夫ですよぉ。お待ちしてますねぇ。(復讐劇の始まり始まり)』
『少しだけ、仕事をしてから、お伺いしますねぇ。』
『はい、大丈夫ですよぉ。ファイト!』
今日の百人一首は
『坂上 是則〜朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる 白雪』
20××年
『ほらぁ、雪が降って来たよぉ。雪ちゃん、久美ちゃん、見て見て!綺麗だよぉ。』
『あぁ…本当だぁ…綺麗だなぁ…。』
『あれぇ、久美ちゃんは何処にいったの?』
『久美ちゃんは体調が悪いから少し部屋に行きましたよぉ。』
『そっか、残念だなぁ。』
『先生、良かったら、一緒に歩きませんか?』
『そうだねぇ。少し歩きますか。』
『今日は楽しかったわぁ。先生、ありがとうねぇ。』
『いえいえ、では、風邪ひかないようにねぇ?』
『それでは、後でねぇ。』
『さてぇ、久美ちゃんの体調はどうかなぁ?』
『久美ちゃん、体調はどうかなぁ?』
『今、雪さんがきてくれているので大丈夫です。ありがとうございます。』
『先生、後で伺いますからねぇ。』
『あぁ~、解った。』
『先生、ごめんねぇ。久美が体調悪くて、ディナーは先生と2人きりになってしまって…』
『いえいえ、大丈夫ですよぉ。』
『良かった。』
『それにしても、いやぁ、飲みすぎたなぁ。』
『もう、先生ったら。お部屋まで案内しますねぇ。』
『あらぁ~、ベッドで寝てるわねぇ。これはチャンスねぇ。』
『あれぇ、ここは?あれぇ、どうして雪さんとベッドの中に…それに裸って…』
『もう、先生ったら激しくて良かったわぁ。』
『ちょっと、ちょっと、待って。』
『月夜に照らされて興奮してきちゃったわぁ。』
『そうなんだぁ。有明の月に照らされて朝がきたと思ったよぉ!』
『吉野の里に 降れる白雪』
『ふぅ~、夢かぁ~焦ったなぁ。それにしても、どうなっているんだぁ。雪さんとまじかぁ。こっこ…これは、諏訪湖プリンスホテルのライターって…怖ぁ。』
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