花ほころぶような優しい活劇

筆者の作品の根底に通じるものは、人や動物への優しい目線である。
もちろんこの作品にもそれはあり、兄を呪いから必死で助けようとする主人公・凌や、その手助けをする冴鬼、そしてヒロインの蜜花など、どこか〝優しさ〟を感じさせる人(人外もいるが)たちだ。
また、本作品では呪いの細かい設定もきちんと定められており、筆者が行き当たりばったりで文章を書いている訳ではないことが解る。
何とも魅力的な物語。呪いの行方はどうなるか。そして猫が可愛い。それはもうメロメロに可愛く描写されている。
とても快く、花ほころぶような優しい活劇である。