新しい出会い
それからまた時が経って、私たちは高校二年生になった。
リョウちゃんを男の子だって意識し始めたのも、確かそのころだったと思う。
最初の出会いから早くも、11年が経過していた。
「オレ、今日バイトの日だから、後はヨロシコ~」
「リョウちゃん!掃除当番なんだから逃げないでよ!!」
私が言い終わるか言い終わらないうちにもう、いなくなってた。
………逃げられた。
……たく。
逃げ足だけは速いんだから。
今週は、教室の掃除当番――。
幾つかのグループに分かれて、班が決められていた。
一年のときは、リョウちゃんとクラスが別々だったけど。
二年に進級してまた、同じクラスメートになった。
「いいよ、いいよ。
オレらで、さっさと終わらせちゃおうよ。ねっ!」
「ありがとう。ごめんね……」
「大丈夫だよ。サオリちゃんが気にすることないさ」
そう言ってくれたのは、満面の優しい笑顔で接してくれた。
同じクラスメートの男子生徒。
彼の名前は、
このとき、私は初めてトオルくんと言葉を交わした。
へぇ……。
結構、優しいんだぁ。
…―って。
そのときの第一印象はそう思っていた。
後に彼とは、その後の人生に大きく関わってくるなんて。
そのころはまだ全然、思ってもいなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます