おれ、バズる!

邪道ムーン

ふつメンのおれ、モテ期きた??

 何で……


 普通に起きて飯くって、親の小言を天気予報とか確認しながら聞き流して……そんな感じでいつものルーチンをこなしてた筈なのに。


 何でか、周りの目がジロジロと俺を見ている気がする。モテ期でも来たのだろうか。少し不審に思いながら足早に学校へと向かう。でもあれだ。今日は天気は良いし、風が気持ち良いな。


 中途半端に開いてる教室の戸を開けて自分の席へと。


「はよー」

「うぃ~っす」


 後ろの席に座るツレに挨拶。ツレはソシャゲでもしてるのか、スマホに目を落としたまま、俺を見ずに挨拶を返してきた。


「なぁおれ君、すげえぞ。朝から変態が出たんだってよ。Twitterがそれでバズってる。ってええええええ!?」

「なんだようるさいな。横で叫ぶなや」


 スマホを見せようとこちらを向いたツレがやかましい。


「お、お前……何で真っ裸なんだよ!! てかバズってるのお前かよ!」

「えええええ! 何で俺服着てねぇの!!」


 自分も叫んだ。マジで意味がわからん。道理で風が気持ち良いわけだ。

 朝起きて普通に飯くって…………着替えた記憶がない。親と話したり顔を洗ったりした記憶は有るのに、寝巻きから制服に着替えた記憶がない。それどころか寝巻きを脱いだ記憶もない。部分的な記憶障害なのか??

 そういや親が「あんたバカなの?」とか言ってたな。これの事だったのだろうか。


「仕方ない。今日は裸族で過ごすか」

「いやいやいや、着ようぜ! 体操服とか何か着よう! マジで!! そのまま居るとか有り得ねぇから! 仕方ないで済まさないで!」

「今日体育ないから持ってきてない」

「あの……おれ君……良かったらこれ着て……」


 隣の女子が顔を赤くしながらスク水を渡してくる。俺の裸を見るのが恥ずかしいのか、スク水を貸すのが恥ずかしいのかどっちだろうなんて、どうでもよいことが頭に浮かぶ。


「ごめん、スク水はちょっと……俺には似合わないと思う」

「そっか……サイズも合わないかもね。だったら……」


 おもむろにセーラー服を脱ぎ出す隣の女子。あ、もうすぐブラとか見えそう……



 そこまで行って目が覚めた。なんだよ!! ゆめかよ!

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おれ、バズる! 邪道ムーン @jadoo-moon

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