口が悪い

僕は口が悪い人間です。結構な頻度で人を傷つけるようなことを言ってしまいます。

その割には悪口を言われるのには慣れてなくて、、「馬鹿じゃないの?」と少し煽られたら露骨に不機嫌になりますし、怒りたくなってしまいます。最低です。


口は災いの元、という言葉の通り、この性分のおかげでかなりトラブルを起こしてきました。小学生の頃は色んな人間に嫌われ、悪評が広がっていきました。そんな中で僕の人格は歪んでいき、だんだん人を傷つける罪悪感も消えていきました。なんなら「今度あいつになんて言ってやろうか」なんてのを楽しみにして生きてるくらいでした。

中学生の時に転機が訪れました。部活見学で、吹奏楽部に訪れました。そこではある先輩(以下A先輩)のことをあたかも殺人鬼のように扱うノリがありました。「この人の家の地下には血塗れの包丁がある」と言われて愛想笑いする同級生をよそに、僕は「ヤクザみたいですね、東京湾に沈めるのは勘弁してください」と初対面にも関わらず乗っかってしまったのです。コレは流石に失礼かな、と思っていたらみんなが笑ってくれたので、そこから調子乗って色んな毒を吐きました。

「先輩頭にウジでも湧いてるんですか」

「頭のネジがバカになってるんじゃないでしょうか」

完全に舐めた発言です。でも笑ってくれました。その時に「ああ、悪口って上手く使えば人が笑ってくれるんだ」と気づきました。

それから僕は笑わせるために悪口を言うようになりました。悪口を言われた時も、「これは笑わせようと思って言ってるんだ」と思うことである程度許せるようになりました。これは高校に上がってからお笑い担当として活躍するにあたって非常に役に立ちました。


ただ、言いすぎてしまうこともあります。

社交的で、色んな人から人生の相談をされる弟に「お前色んな人間の相談受けてはいるけど、誰も救えてないよな」と言ったらスマホを腕に投げつけられました。

テレビで頑なに「シンプルなモノが一番だ」と言っているビジネスマンを見て腹が立って「他人の意見を聞き入れないお前が一番シンプルじゃねえよ。シンプルがいいってんならお前自身もシンプルになれ、毛の一本も生えてない球体か何かになっちまえよ」と言ったら家族からは「そういう時だけ生き生きしてるの良くないよ」と呆れられました。

これからもこの口の悪さと向き合っていきます。

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