第6話
俺と
電話の向こうでめぐちゃんが慌てている、無理も無い、いきなりスペースモンスターの襲来とか言われても訳がわからないだろう。
「めぐちゃん、とにかく急いでこの星を脱出する事になったから、必要最小限の物だけ持って準備しといて」
『わ、わかりました!だけど本当に大丈夫なんですか、今、町で大変な事になってますけど、なんか訳のわからない緑色の巨人達が町の人達を襲っているみたいなんですよ』
「そうなのか、めぐちゃんは無事かい」
『はい、一応隠れていますけど、いつまで隠れ続けていられるかわかりません、なるべく早く迎えに来て下さい』
「ああ、わかっているよ、今、そっちに向かって移動中だから」
『・・・それにしても、地球連合軍はこういう時動いてくれないのでしょうか』
「俺が連合軍の基地にいた時に、そこに居た兵隊さん達は状況に対処しに動いていたみたいだけど、それ以外はわからないな、俺と一緒に行動している一文字博士が言うには、お偉いさんはスペースポートへ行っている様だ、って言っているけど」
『ええ!?、軍のトップが、逃げ出しているんですか!?』
「わからないけどね」
『そんな・・・』
「とにかく、もうすぐそっちに到着するから、出来るだけ隠れててね」
『はい、川田さん、それじゃあ一旦電話を切ります、なるべく急いで来て下さいね』
めぐちゃんとの会話を済ませて、アサルトアーマーの操縦に集中する、今の所レーダーにはスペースモンスターの反応はない。
地球連合軍の基地から町中のここまで移動してきたのだが、・・・それにしても酷い光景だ、町がめちゃくちゃだ、人も何人か倒れている。あっちこっちで火災が起きているようだ、建物は無残に壊されていて、まるで爆撃された跡のようだ。
マジか、スペースモンスターの侵攻でやられた被害は相当大きいようだ、スペースモンスターのゴブリンとかいう奴は破壊衝動しかない、って一文字博士が言っていた通りのようだ。
「ひどいな・・・これは・・・」
『こんなのまだ序の口じゃ、これからもっと酷くなるぞ、とにかく急いで行動するんじゃ、まだ事務所へは着かんのか』
「もう間もなくです、博士」
このアサルトアーマー、ショートソードの移動速度は結構速い、足の裏側にコンバットタイヤが装備されていて、車のスピードに余裕をもって付いて行ける。ローラーダッシュって感じかな。まあ、アサルトは基本陸戦兵器だからな。宇宙空間での活動には専用のスラスターバックパックを装備して宇宙で行動する仕様になっているからな。
もうそろそろ事務所が見えてくるはずだ、このまま前進する。すると、事務所の近くにスペースモンスターのゴブリンがいた。こいつを倒さなくては安全にめぐちゃんをピックアップできない、やるしかない。
ゴブリンとの距離は900メートルぐらい、距離がある、ショルダーミサイルか、いや、爆発による周りに与える被害を最小限にしないと、事務所が近くにあるんだ、めぐちゃんを巻き込まないようにしなくては。
ここはやはり、スパイラルナックルのようだな、武装選択でスパイラルナックルを選択する。ゴブリンに狙いを付ける、・・・よし!
「スパイラルナックル!発射!」
右腕が高速回転し腕のロケットブースターに点火、物凄い勢いで腕が飛んでいく。スパイラルナックルは見事にゴブリンに命中、ゴブリンの体に穴を開けて、また右腕が元の位置に戻ってくる。どうやらゴブリンを倒したようだ。
まだここも安全とはいかない、すぐにめぐちゃんに電話する。
「めぐちゃん!、外の敵はやっつけたよ、急いで出てきて!、俺達はもう事務所まで来ているから!」
『は、はい!今から外に出ます!』
博士の運転する車が事務所の入り口近くに停車する。少しして、めぐちゃんが荷物を抱えて外に出てきた。
「さあ!早く乗りなされ、ここはまだ安全とはいかないのじゃ」
「は、はい、お世話になります」
めぐちゃんは車に乗り込んだようだ、よし、無事にめぐちゃんと合流できたぞ。博士の運転する車はすぐに発進した。
「それじゃあ川田君、スペースポートまでの護衛、しっかり頼むでの」
『はい、何とかやってみます』
「え!?、川田さんがこのアーマーに乗っているんですか?てっきり車に乗っているものだとばかり思っていました」
「緊急事態じゃからの、川田君にはアサルトアーマーに乗ってもらったわい」
「え、川田さん、大丈夫なんですか」
『うん、何とかやれているよ、このショートソードの性能のおかげでね』
「そ、そうですか、なんだか凄いです、川田さん」
「お嬢ちゃん、シートベルト、さあ、急ぐぞい」
博士の車と俺の乗るアサルトはここから50分ほど行った所にあるスペースポートまで移動する。そこまでの間、しっかり護衛しないとな。またいつスペースモンスターが出てくるかわかったもんじゃない、事は慎重に運ばないと、なるべく急いで。
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