第5話

 俺はアサルトアーマーのショートソードに乗り込み、スペースモンスターのゴブリンと戦おうとしている。やれるのか?俺・・・アサルトに乗ったのも初めてだし、戦うなんて今までそんな事無かった。だけど、二足歩行車両、アーマーの免許は持っているからこのアサルトアーマーの動かし方は理解できる。これも生き残る為だ。


よーし、いっちょういきますか!


ゴブリンとの距離はだいたい700メートルぐらいだ、距離がある。よーし、それなら遠距離攻撃用の武器、ショルダーミサイルだな。


「ショルダーミサイルセット!」


武装選択をショルダーミサイルにすると、モニターのターゲットサイトの周りに丸い円のようなものが表示された、なるほど、この丸い円の中に敵を捉え続けるとロックオンできるわけだな。ロックオンサイトってやつか。


早速ゴブリン3体の内、1体をロックオンサイトに入れる。


ピッピッピッピッピッ・・・・・・


何やら電子音が鳴っている、おそらくロックオン中、というところだろうか。


ピッピッピッ・・・ピコリン


お!ロックオン完了みたいだな、よーし、トリガーを引いてみる。


「ショルダーミサイル!発射!」


アサルトアーマーのショートソードの両肩辺りからミサイルハッチが開くような音がして、右肩、左肩、計4発の小型ミサイルが発射された。頼む、当たってくれ。


小型ミサイルはゴブリンに向かって飛んでいき、不規則な動きで標的に向かっていく。そして、3体のゴブリンの内1体に4発とも命中し爆発した。


「ギギャアアア・・・・・・」


小型ミサイルが命中したゴブリンが断末魔を上げて爆発四散していく。


なんて事だ、たった一回の攻撃でゴブリンを1体倒してしまったぞ。もしかしてこの武器って攻撃力が高いのか?


ゴブリンは残り2体、まだこちらに向かって走ってきている、仲間がやられたのにお構いなしに突っ込んでくる。相手との距離は500メートルぐらいだ、中、近距離だな。よし!それならスパイラルナックルだ。


武装選択をスパイラルナックルに切り替える、ターゲットサイトにゴブリン1体を合わせる。・・・よし!いまだ!


「スパイラルナックル!いけえぇぇぇーーー!」


ショートソードの右腕が回転し、腕の付け根あたりからロケットエンジンのブースターに火が付いて噴射し、そのまま腕を切り離して飛んでいく。物凄く速い、高速でゴブリン1体に向かって飛んでいく。


「当たれえええ!」


「ギッ・・・」


スパイラルナックルがゴブリン1体の体を穿った、ゴブリンは断末魔を上げる事無く絶命したようだ。凄いな、このスパイラルナックルも攻撃力が高いようだ。これまた一撃で倒してしまった。


ゴブリンは残り1体、まだこちらに向かって走ってきている。っと思ったら石斧みたいな物を投擲してきた。


俺はショートソードを操縦してサイドステップで避ける。よし、うまく避けられた。相手との距離は300メートルぐらい、・・・なんだろうか?このゴブリンって奴はもしかしてそんなに動きが速くないのかな。まだ中、近距離だ。もう一度スパイラルナックルを使う。


さっき飛んでいった右腕がいつの間にか戻っていた、オートマチックで戻ってくるのか、使いやすいな、この武装。よし!もう一度だ。残り1体のゴブリンに狙いを付けて、トリガーを引く。


「スパイラルナッコォォォーーー!」


もう一度右腕がゴブリンに向かって飛んでいく、射速が速い。これは避けられまい。スパイラルナックルがゴブリンに向かって飛んでいき、一撃でゴブリンの体を貫いた。うーん、やっぱりこの武装は攻撃力が高いな。


発射した右腕が戻ってきて元の位置に収まる。辺りは静かになったようだ。たった一機のアサルトアーマーでスペースモンスターのゴブリン3体を撃破してしまった。このアサルト、ショートソードの性能のおかげだな。そうでなければ俺みたいな初心者が初めての実戦でここまでうまく事が運べる訳がないからな。


「ふう~~やれやれ、何とかこの場はしのいだみたいだな、無事に生き残れたようだ」


『お疲れじゃったのう、流石わしが改良したショートソードじゃわい、どうじゃ、そのアサルトの性能は』


「はい、凄い性能だと思います、本当にこのアサルトアーマーは型落ちなんですか?まだまだいけるじゃないですか」


『はっはっはっは、そうじゃろ、そうじゃろ、それなのに軍の偉い連中ときたら、もう新しいアサルトアーマーを次期主力機にしたいと言い出しおってな、まったくロマンを知らん奴ばかりじゃ、とにかく、お疲れじゃったな、っと言いたい所じゃがどうにもこちらの旗色が芳しくないようなんじゃ、車を出すからわしの護衛をしてくれんかの』


「護衛ですか?どちらまで」


『スペースポートまでじゃ』


「え?!スペースポートって、この星を出るんですか?」


『そうじゃ、このままここに留まっておってもスペースモンスターにやられるだけじゃ、奴らは数が多い、この程度で終わる訳なかろうしの、とにかく、護衛の件、しっかりの』


「あの、うちの事務所に女性社員が一人いるのですが、その子も連れて行ってもいいですか」


『ここからの距離は?』


「車で30分、ぐらいです」


『ふむ、まあそれ位ならいいじゃろう、連絡を取っておくんじゃ』


「はい、」


なんだか大変な事になってしまった、まさかこの惑星ミズンを離れる事になるかもしれないなんて、それにまだまだスペースモンスターの侵攻は始まったばかりのようだし。これからどうなってしまうのかな。











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