　次の土曜日までの間、私は何度も“東間凪子”の配信を見ようとしては耐え、Twitterに書かれた動画のタイトルだけを眺めていた。

“今日はいいことがあったからゾンビ叩きのめす！”

“勝負服は制服だけどゾンビと戦う時は軍服で行く！”

　短い文字面だけで、彼女の機嫌がいいのが伝わって来て、私は安堵していた。

　しかし、“センセイ”が私であるという確証はちっとも持てないままだ。私以外に彼女が“センセイ”と慕う誰かがいて、その人にはずっと前からVtuberとしての活動の話をしていて、それでも見ないでほしいと頼んでいるんだろうか。

　彼女の“センセイ”が、私以外にもいるなんて。

　なんだか、変な心地がした。

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