第6話 秩父《ちちぶ》之宮クリス

「俺たちはユウキ君のバンド仲間だよ❗」

 ヒデが俺の前にしゃしゃり出て微笑んだ。



「シンゴッて言います。あなたは」

 俺も軽く会釈した。


 彼女の胸元も気になった。スゴいオッパイだ。思わず上から覗き込んだ。



秩父ちちぶ之宮 クリスって刑事モノよ」

 警察手帳を提示した。秩父ちちぶ之宮クリス刑事としるしてあった。



「ケッケケ……、だってェ……❓」

 目をパチクリさせてヒデが笑った。



「もォ~、クリスッて呼んで❗❗」

 憮然とした顔で応えた。



「え、ああ、そっ、クリス刑事ねェ……

 ケッケケェ……😆🎶✨」

 またヒデは嫌らしく俺に笑いかけた。


 それにしても妖艶なまめかしい身体つきだ。

 セクシー女優が刑事役をしているようだ。



「関係者以外は邪魔よ❗❗」しっしっと追い払おうとした。


「フン、野良犬かァ~ー」ヒデが怒鳴った。


「うるさいわねェ、パン君❗」

「な、チンパンジーじゃねぇ~よ」



「フフ…… 俺は『弁護士』さ❗❗」

 信じないだろうが……



「え、ウソつきなさい。そんなロックミュージシャンみたいな格好カッコの弁護士がいるか❗

 ウソをつくならもう少しマシなウソをつきなさい❗❗」

 彼女の言う通りだ。



「フフ、確かに、けど俺は……

 世界でただ【ビジュアル系弁護士】 シンゴだよ❗❗」

 胸のヒマワリのバッチを親指で差した。



「何ィ~、ビジュアル系弁護士ィ~」

 巨乳美女刑事は目を丸くした。



 彼女のような対応も慣れたモノだ。




 【ビジュアル系弁護士】など信じる方が変わっている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る