3 - 斜め後ろの席

『おぉ~!』


少しの歓声が響く。


「みんなに名前の入ったマグネットを渡していくから、そのあとこのくじを引いてな。先生この日のためにくじ引き作ってきたんだからな~!」


そういい須藤先生はマグネットを名前を呼びつつみんなに手渡していきくじ引きを教卓に置いた。

ちなみにこのあと、席がきまったらその場で班をくくり決め交流タイムがあるらしい。さすがは陽キャそうな先生が考えることだ。

僕は少し肩を落としながら自分の名前が入ったマグネットを眺める。


「じゃあみんな、出席番号順にくじを引いていってな~。」


みんなは次々とくじをひいていき僕の番まで回ってくるのはそう遅くはなかった。

廊下側後ろの席を願いながら僕はくじを引いた。


「―…Bの6。」


微妙だなぁ、後ろなのはいいけど窓側か…。まぁ陽に当たって寝やすいって考えればいいか。

僕は自分の名札マグネットを手に黒板に描かれている席のB6のところに名札を置いた。


僕の手が止まる。僕の席の左上にある名札マグネットには朝比奈と書かれているのだ。


「えっと…日陰くんだっけ?マグネット貼ってもいい?」


後ろから見慣れない女子に声をかけられ僕は我に返り、ごめんと一言だけかわし自分の机へと戻った。


窓側の席を見る。朝比奈さんは既に机の位置を移動していた。僕もあの斜め後ろにつくように机を持ち移動する。

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