奉仕させられる文学

 現代純文学以外の何物でもない。
 ねっとりと溶解した言葉の混沌で喉を塞がれ、窒息しかかりつつも手足をばたつかせる内に奇妙な臭気に包まれている。
 海中に沈んだ木箱が腐敗しつつも微生物や稚魚の棲家になるように、私が感じた文学的嫌悪感(※賞賛である)は私の下した頭の中の言葉を群れ集わせる。
 必読……に限りなく近い本作。

その他のおすすめレビュー

マスケッターさんの他のおすすめレビュー2,179