6.歓迎パーティー

 異世界に来て2日目にして異世界最初の食事は、僕の歓迎パーティーとなった!


 楽しみに待っていると、カイトからお声が掛かる。


 「おーいハルトー!ここに魔法で火を点けてみてくれー!!」


 どうやら、薪に火を点けて欲しいようだ。


 「火加減ちゃんとできるか分かんないよー、大丈夫??」


 そう、この世界に来て魔法を使ったのは、ビックウルフを倒した時が最初で最後。


 どんな威力なのか、威力の調整はできるのかも分かっていない。


 ただ、あの時はビックウルフを倒せるような強力な炎を想像したっけっか。


 だったら、きっとそんなに大きくない炎、そうだなぁ、元世界のコンロの火をイメージして、魔法を放てば・・・。



 ボワッ!!


 程よい感じの炎を薪に向かって点火!!



 結果は大成功!!


 無事に薪に火がつき、点火完了!!


 「おお!ホントに魔法が使えるんだなぁ、凄いやこりゃ!」


 「兄さん、これならもしモンスターに襲われても、安心できるな!よくやった!!偉いぞ~ハルトー!!」



 そんな感じで僕が点火した火で調理開始!


 牛肉の焼肉パーティーにするようだ!!



 肉だー!!とテンションが上がる僕たち。

 

 焚火の上に鉄板を敷いて、その上で焼き肉を開始する!

 


 味付けは、流石に焼き肉のタレなんかは無い様なので、塩で頂く。


 胡椒は少々高いが、少しだけなら使っていいという。


 

 では、ジュウジュウと肉汁が溢れながら焼かれたお肉を取り、


 「いただきます!!」



 パクッ!!んん~!!口中に広がる牛肉の旨味!!


 溢れ出す肉汁も甘さがあって美味しい!!


 「幸せ過ぎる!!美味しいよ!!」


 思わず心の声が溢れ出す程の美味しさである。



 しばらく夢中で食べ続けていると、カイトが木製のコップを手渡してくれた。


 その中には、この世界でも定番のお酒という、ビールが注がれていた。


 「ありがとう、カイト」


と、にっこり笑ってカイトからコップを受け取る。



 「では、ハルトが新しい仲間となったことを祝して、カンパーイ!!」


 「カンパーイ!!」


 「カンパーイ!!」


 みんな一気に飲み干してしまう。



 「うん!このビール美味しいね!」


 お世辞ではなく、本当に美味しいのだ。


 仲間と飲んでいるから尚更だね!



 そんなこんなで、お腹一杯に焼き肉とビールを頂き、異世界初の食事はお開きとなった。



 牛肉はだいたい、元世界のものと同じような味や食感だった。


 この異世界でも、牛肉が食べれるだけでも嬉しいのに、元世界と同じぐらい美味しいなんて、最高じゃないか!



 ビールは、元世界での僕は、好きでも嫌いでもないが、他のお酒なんかや、割合の分からない〇〇割りを頼んで、濃すぎて失敗したりするよりはいいからと、無難に頼んで飲んでいたぐらいか。


 まあ、炭酸が普段苦手なので、一気に何杯も一気飲みして、ヤバくなったのは内緒(笑)



 と、そんな過去の話は良いとして、この世界のビールはというと、苦すぎず程よく、炭酸もキツくなく飲みやすさ重視という感じ。


 まさに僕の求めていた感じでハマりそうな感じだ。



 そんな感じの夕飯を楽しんだ僕ら一行は、そのままこの地をキャンプ地とすることにした。


 もうすっかり辺りは暗くなっていたし、この世界にはライトの様な便利なものは無いようだからね。



 ここはいくら街道の中だと言っても、モンスターのにる異世界だし周囲は森なので、3人で交代で火の番をしながら、周囲を警戒する事にした。



 順番は、この世界でもあるというジャンケンで、平等に決める事にした。


 意外と世界は違っても、人間が思い付くことって似てるんだね。



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