第9話 ロボ、ララに狩りを教える

ララへの魔力供給が1日1回になり、ロボは冒険者としての仕事を再開した。


 最近受けている依頼は漁協からの依頼が多いようだ。漁を邪魔する海の魔物退治だ。ロボが漁協で貰ってくる海産物が美味い。シーフード好きなザザがご機嫌でロボへの警戒が緩んでいる。今日もララがロボフェンリルの背中を登っているのに放置だ。


「ハヤト?」

「なんだい?ロボ」

「そろそろララに狩りを教えたい」

「狩り?」

「普通は親が教えるんだがララには俺しかいないからな。冒険者ギルドにきている山林のオーナーからの依頼で害獣の討伐があってな、依頼主に相談してみたらララに教えながらでも構わないとのことだった」


「ララには早くないか?」

「そんなことはない。それにザザも一緒だ」

「俺も…」

「人間には無理だ」


ザザを見るとうなずいている。確かにロボはララに無茶をさせないだろうが…。

ロボの背中に登っていたララは、ついにロボの頭にたどり着いて得意げだ。


「頼むぞ、ザザ」

ザザの肩に両手を置いて見つめあった。



*******


結論から言うと、ロボとララが仕留めた猪肉で作った牡丹鍋は美味かった。


「俺が猪を気絶させ、ザザにララを誘導してもらってララにとどめを刺させた」


先にロボが山に入って大型の害獣を始末した後、小さめの猪で狩りの練習をしたらしい。

今回は動けない猪にとどめを刺す練習だったが、成長に合わせてレベルを上げていくそうだ。


この先もずっとララの面倒をみていくつもりなので、箱入り娘のララは狩りなんて出来なくて良いと思っているが、箸の持ち方とか、そういうレベルのマナーらしい。口出ししたい気持ちをぐっと堪えた。


ロボには感謝している。

…感謝しているが将来は別だ。


ララ、『将来は俺が美味しいお肉をたくさん獲ってあげるから』とか言われて尻尾を振っちゃいけません!

ハヤトお父さんが美味しいお肉を買ってあげますから!

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