第7話 S級家政婦

ロボは超有能だった。


 3時間おきの魔力供給、掃除、洗濯、料理、庭仕事、家庭菜園…すべて完璧だった。

 3時間おきの魔力供給と家事の両立は普通の人間には無理だ。3時間おきの魔力供給だけでも相当な負担なので、やめさせようとしたが問題ないと力で押し切られた。薬師のヒョロヒョロ筋肉では敵わなかった。


 ちくしょう俺だって家事には自信があるのに…と思っていた時がありました。

ロボの家事能力は桁違いだった。ロボは冒険者をやめたら家政婦でもS級になれる。


「今日のおやつはプリンですよ」

ロボは、あっという間にザザとララの胃袋を掴んでしまった。腹の立つことにイケメンはエプロンも似合う。


1か月経ってララへの魔力供給は6時間おきになり、ロボはスーパーに買い物に行っても後指うしろゆびをさされることが無くなった。

最近のララは尻尾を振ってロボの後ろをついて回っているほどだ。あれほどロボを警戒していたザザも黙認している。


いいのかララ、そのおじさんはララのことを、ムチムチなポテ腹、丸々とした二頭身ボディ、太くて短いドスコイ脚と表現したんだぞ。

もちろん俺はそんな事思っていないからな。



「なあハヤト」

「なんだい?」

「ララへの魔力供給の間隔だが、明日から8時間おきに変えて様子を見ようと思う」

「…ありがとう。ロボの知識が無かったらララは今も寝込んでいただろう」

「当然のことをしたまでだ」

「ロボ…」


「何しろ将来のツガイ…痛い痛い痛い!」

ザザがロボに本気でかぶりついた。

もちろん俺は助けなかった。


ザザが再びロボを警戒するようになり、ララがロボに近づくことを阻止している。

いいぞザザ。



その夜、ララがロボのおかげで回復してきたことと、ロボはやっぱり変態かもしれないことをSNSで発信してから寝た。

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