第31話 プールの授業


「水泳の授業ってさ」


「ぁん?」


「必要じゃん」


「そこは要らないよな、じゃないんだな」


「元素記号覚えるよりは間違いなく必要だろ」


「最近災害とかヤバいしなぁ」


「くっそ暑いし」


「地球が本気になってるよなぁ」


「ここまで言えば俺が何が言いたいか分かるよな?」


「ちょっと……、無理かな?」


「冗談はよせよ、親友」


「お前が俺のことを親友と呼ぶ時は大抵碌でもないことだからすでに逃げたい」


「え? 本当に分からない?」


「え? 分かると思っているのが分からない」


「……これだけ必要な授業なんだからもっと現実に沿う形にすべきだと思うわけよ」


「服着て泳ぐ練習させろってことか?」


「男女混合だろう普通!!」


「おうけい、分かった。もうしゃべるな」


「何が! 悲しくて! 男の尻ばっか! 見ないといけないんだ!!」


「見るなよ」

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