『常識』という非常識

いつの間にか

思い合うことができなくなって

いつの間にか

『自分は』と思うようになってしまって

『してもらっている』と感謝を忘れてしまって

『している』という満足に囚われた


いつの間にか

『してあげたい』という気持ちは薄れていって

『当たり前』という言葉が邪魔をして

『常識』という非常識を作り上げた



一時の感情

一時の感情?

永遠を誓った

永遠なんてない

知っていた

理解はできていなかった


いつの間にか『好き』は挨拶のようになって

いつの間にか恥じらいは薄れて

家族になれた喜びよりも

違う悲しみを抱えている


後悔 とはすこし違う

こんなはずではなかったと

わずかなズレを気づかずに

いや

修復しなくていいと

見てみぬふりをしていた



そのツケだ

代償だ



一時の感情

一時の感情?

永遠を誓った?


永遠なんてない?


知っていた?


理解ができていなかった?

それは言い訳だ




『常識』という安心で包んで

中身を見ないでいた

異臭を嗅がないようにした


溶けて

消えていた


空っぽになっていた


包んでいたから

見ようとしなかったから

異変に気づこうとしなかったから

失ったんだ



大事に

大事にしたかったもの

想っていたもの


いつの間にか

不安定で不確定なものを

安定で不動のものだと信じていた


失う怖さを感じなくなって

失わないものだと勘違いしていた


それこそが一時の感情

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