大学時代の恋愛の話

 小説にできそうな泥沼だったので、それなりにフィクション絡めて小説にしてやろうかと思ったんですが、なかなか難産だったので諦めてここにまとめますw




【登場人物】

南雲

えーくん

びー先輩




 私とえーくん、びー先輩は、同じ大学の同じ学部でした。

 私とびー先輩は、コースも一緒。

 直属の後輩でした。


 えーくんはコースが違ったので、私がえーくんと初めて言葉を交わしたのは五月の半ば頃でした。


 学科全体での催し物があり、同じ学年でコース混合のいくつかのグループに分かれ、レクリエーションをしていた時です。

 レクリエーション中は軽い挨拶のみで、それが終わって駅に向かう最中、連絡先を交換しました。

 そこで、えーくんの下の名前を知ります。

 えーくん、苗字はありふれているんですが、名前が結構変わってて、でもその名前がカッコよくて、思わず「名前かっこいいねー!」なんて言ってしまいました。


 えーくん、名前だけじゃなくて見た目も格好良くて、割と一目惚れに近かったです。


 レクリエーションが終わってからも、ちょいちょいメールしてみたりしてました。

 覚えててもらいたくて。



 びー先輩は気さくな先輩で、同じコースということもあってよく喋ってました。

 びー先輩には彼女さんがいたので、安心していたってのもあります。


 オススメの授業とか聞いたりしてたんですが、えーくんに片想いしてる話もしてました。

 応援してくれていたと思います。



 六月に私の誕生日があるんですが、偶然同じコースに同じ誕生日の子がいたんですよ。

 そのもう一人の子の方が人気があって、みんなそっちのお祝いがメインみたいな感じで、私も祝ってはもらったんですけど、最終的に学科棟の中で一人になっていました。


 なにするでもなくポヘっとしてたら、授業が終わったらしいえーくんたち(えーくんと同じコースの何人か)が来ました。

 えーくんが「なにしてんの?」と聞くので、かくかくしかじか。

 そしたら、ご飯に連れてってくれると。


 誕生日に二人でご飯って、期待するじゃないですか。

 脈あるかもって。

 ご飯食べて、最寄駅に向かいながら、告白してしまったんですよね。


 答えは、「ごめん」でした。


 結構ショックで、メールの履歴とか全部消して、でも連絡先だけは消せなくて、泣くのを我慢しながら家に帰りました。



 びー先輩が「最近どーよ」なんて話しかけてくるのでそのことを話すと、ものすごい慰めてくれて、いい人だなあと思ってました。


 夏休みに入る前くらいに、びー先輩に告白されました。

 どうやら私が失恋してすぐくらいに、彼女さんとは別れていたようでした。


 私はびー先輩に対して、恋愛感情を抱いてはいなかったんですが、好きな先輩ではありました。

 どうせえーくんとは付き合えないのだし、いいか。

 そんなことを思いながら、オッケーしました。



 冬が近付くある時、別のコースの友人から自主的な教室内発表に誘われました。

 面白そうだったのでオッケーすると、メンバーの中にえーくんがいました。


 告白して以来、会わないように、喋らないようにしていたのに、マジか、と。


 でも企画を失敗させるわけにはいかないし、なるべく平静を装って、必要最小限の会話を心掛けました。

 だけど、えーくんと喋れるとめちゃくちゃ嬉しいんです。

 私の発言に応えてくれると嬉しくて、私に質問してくれると嬉しくて。



 年が明けて発表が無事終わり、打ち上げがありました。

 打ち上げ会場で、えーくんが私の隣に座った時、どうしようもなくドキドキしました。

 ああ、私はまだこの人のことが好きなんだと痛感しました。


 食べ物に手を伸ばす時、店員さんから飲み物を受け取る時、ふとした瞬間に腕や足が触れ合うのが堪らなく嬉しくて、どうしようかと思いました。


 びー先輩と、別れよう。


 そう思いながら、家に帰りました。


 家で携帯を弄っていると、えーくんから電話がありました。

 何事かと思って電話に出ると、どうにも歯切れの悪いえーくんの声。


『告白された時、嬉しかった。でも、自分には精神的な疾患があるから、大事に出来ないと思って断った。だけど、久しぶりに一緒に作業をして、今日の打ち上げもあって、ちょっと、我慢できなくなって、電話した。ごめん。本当は好きなんだ』


 要約するとそんなようなことを言われた私は、思考がぐるぐるしてゲロ吐くかと思いました。

 あと、夢かと思った。


「今、私はびー先輩と付き合ってるけど、私も、発表の準備と打ち上げ会場とで、えーくんのことが未だに好きなんだって痛感してた。だから、びー先輩とは別れようって思ってたところだった。びー先輩と別れたら、また、話そう」


 そういうことにして、その日は寝ました。



 次の日、授業が終わってからびー先輩を呼び出した私は、えーくんのことが忘れられないと言いました。

 だから、別れて欲しいと。


 でも、先輩は首を縦に振らなかったんです。


 私の通っていた大学では、1〜2年生の通う校舎と、3〜4年生の通う校舎が別でした。

 だから、あと数ヶ月で、同じ校舎に通わなくなる。

 そうなったら、不利だと。

 自分に挽回のチャンスがなくなるから、私の気持ちが自分になかったとしても構わないから、関係性を保っていてほしいと。


 何度説得してもダメだったので、その日は別れることを諦めました。


 その日から、びー先輩は私にめちゃくちゃ優しくなりました。

 ただ、びー先輩になにをどうされようと、びー先輩のことを好きになることはないんです。

 だってえーくんが好きなんだから。


 びー先輩が別れてくれない話はえーくんには伝えてありました。

 えーくんとは何回か会って、話して、気持ちを確かめ合って、びー先輩が諦めてくれたら付き合おうと、約束していました。


 進級して少しして、びー先輩は諦めてくれました。

 別れると。


 私は喜び勇んでえーくんに報告に行きました。

 えーくんは、喜んでくれたものの、元気がありませんでした。


 気分の落ち込む周期に入ったのかと思っていたのですが、かなり後になって話してくれました。


 びー先輩は、私と別れることになった恨み辛みを、長文にしたためてえーくんに何度も送りつけていたんです。

 メールでも、フェイスブックでも、ツイッターのDMでも。


 そりゃ負担になりますわ……。

 

 えーくんと付き合い始めてしばらくは、私とえーくんも少しギスギスしていました。


 それでもその年の夏休みが終わる頃には、普通のカップルになれていたと思います。



 結局、卒業を前にいろいろあってえーくんとも別れてしまったのですけど、えーくんとびー先輩とのあれこれは度々思い出します……。


ハハハ。

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