私界独染

いつか赤は黒く

いつか青は白く

私達は生まれ変わる

小さな羽が貰えるって

本当は信じていたんだよ


必ず左足から踏み出す一段目

コスタリカの薫りが吹く二人席

いつまでも、いつまでも

宝物になるはずだった


遠く、美しく

貴方は必ず別のものになる

けれど、それでも

私はいつまでも此処にいる

貴方の残滓を見つけたくて

もう一度だけ、もう一度だけ

この視野が一人だけになれば良いのに


いつかありふれた彩度で

いつか満ち足りた再度で

私達はやり直せる

サンタクロースが空にいなくとも

本当は信じていたいんだよ


いつだって、いつまでだって

私達は宝物になれるはずだった


早く、儚く

貴方は必ず別の影を覚える

けれど、それでも

私はいつまでも此処にいる

貴方の追憶になりたくて

もう一度だけ、もう一度だけ

この視野を百年先まで繰り返したい


貴方は別のものになる

貴方は知らない形になる

けれど、それでも

私は貴方の残滓を見つけたい

私は貴方の追憶になりたい


いつまでも、其処は宝物のまま

いつまでも、此処は私達のもの


この視野が、貴方だけ映せば良いのに。


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