異解転世

大平原の片端から火を放て

燃やし尽くして語り尽くしたさいはて

終わらない月夜を歩こう


夢に見た大切な背中を

冷たく鈍い掌でそっと押したら

消えていった 飛んでいった

小さな円で封をしたら

約束は結実するだろう


君の為に 君の為に

魂を注ぐ 命を捧ぐ

君の為に 君の為に

だから壊さないで

だから恐れないで

けれど離さないで

けれど忘れないで

君の為に 君の為に

君の為に 君の為に

再設計の筆を取る


蒼穹の中心に朱を染め上げよ

濁り尽くして渇き尽くしたしゅうの縁で

鳴り止まぬ懺悔をうたおう


あらゆる針が静寂を続け

あらゆるこえが残響を消す

いずれ灰へと還る理を産んだのは

君じゃないか

君じゃないか

虹を切り裂く覚悟を捨てるな


君の為に 君の為に

魂を描く 命を編む

君の為に 君の為に

だから嘆かないで

だから導いてくれ


君の為に 君の為に

魂を創る 命を創る

君の為に 君の為に

全てやり直すよ

だから だから


君の為に 君の為に

魂を注ぐ 命を捧ぐ

君の為に 君の為に

だから共に歩こう

だから共に詠おう

終わりなき最果てが成就したら

新しい終焉をもう一度始めよう

けれど離さないで

けれど忘れないで

君の為に 君の為に

君の為に 君の為に

再設計の筆を取るのだから


終わり、始まり、また終わる

君は天国へ届かない

君の地獄は未完成

境界に立ち、踊り狂うだけ

だから君の為に

この手をほどきはしない。

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