【雑記】16時23分

「二足のおじさんは昔から拘りが凄いんだよねえ」二足牧場から隣の、四足牧場を営む主人は苦笑混じりに行った。応接室の窓から、ドーム型の牧場の様子が見える。

 中は見えないが、一度視察として見たところ、ちゃんと整備はされている。大量出荷故に、衛生的な清潔さは欠かせないのだろう。

「僕がどうして四足が好きか分かるか?」そう聞く彼に「二足の鶏より牛や豚が美味しいから」と答えるが、「僕も好きかも。でも違うよ」と笑った。

「もっと色んな人に食べて欲しいからだよ」主人はそう答えた。牧場から、物音は聞こえない。彼らの表情はどんなものだったか、忘れてしまった。

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