第7話



7、自分一人での契約



ようやく飛び込み営業になれ 、ふっと気付いた事が有った。

どうも、小さい子供のいるお母さんのウケが良いと感じ、ピクチャーワールドを全巻見た。

これは 面白かった!

18巻有る中 1話ごと作者が違い、また、絵のタッチが全く違て、幻想的な物やシンプルだけど絵本の中に吸い込まれそうな作品ばかりだ。

小さい子供のいるアパートや子供服やオムツなど有る、家をめがけて飛び込んだ。

アパートを最上階まで上がり(下からだと、上に上がる通行人に警戒されるのと、声が上に響きやすい)すぐに話しを聞いてくださる若奥様に出会えた(米田さん27歳長男3歳の一人っ子)最初は警戒されてたけど 、おそらく自分が若いし安全だと思ったのか

話しを聞いてくれた。

「ホント 、あなたの言う通り 、こんな本初めて!

子供より私の方が読みたくなるわ!」

凄く喜んでくれた。

「ありがとうございます。それとカセット付きが別売りで有るんですが、奥様が家事などで手が離されない時にカセットが読み聞かせしてくれるんですよ。別売りで3万かかるんですが?合わせ20万で決して安い買い物じゃないけど、お子様だけじゃなく この先 お孫さんとか大事に使われたら何十年も使われてます。」


「カセット付きもいいわね!いいわよ。現金無いからローンでいいかしら?」

「ありがとうございます!」

初めて自分の力で契約にたどり着いた瞬間である。

帰り際に昭和堂のカタログを渡した。

これが 、のちに種まきになる事は予想しなかった。

そんな調子でピクチャーワールドばかりを売り周りから若妻キラーの異名を貰った。

しかしピクチャーワールドの売り上げ27Pだと夜の店に行ったら赤字だ。

それでも3ヶ月を過ぎた時 、売り上げは6月90Pで先輩達を追い抜く勢いで12人中5位まで入った。

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