疑心

どうか忘れないで、一瞬の光が君の妨げになることを。

眩しくて手の届かない存在が君を蝕むことを。



きっと、恋は汚く深い沼に君を陥れるだろう。そして、愛は惨く簡単に君の命を奪っていくのだ。


そして、

美しい花は君を殺して、鳥の囀りが嘲り笑う、流れる川は君の大切なものを奪っていき、月の光は君の全てを消して、星の輝きは君を怨嗟の渦に巻き込んでしまうのだろう。



神様は美しいものを使って、

君を、わたしを、ぼくを、


奪っていくのだから。




それを、どうか、

どうか忘れないでいてね。

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