青春の終り[春]

 春日和

  大会中止を

   告ぐ電話

 毬栗頭の

  青春の終


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 新型コロナウイルスの影響で甲子園も中止になりました。個人的には何の関係も無いのですが、夏の風物詩である大会なので幾ばくかの寂しさはあります。当事者である野球に青春を捧げた高校生達の悲しみや虚しさがどれほどか、想像出来ません。

 そんな寂寥が書ければいいなぁ、と歌を作ってみたのですが。あ、はい。いつもの感じです。


 この歌で春日和を季語にしたのは明るく朗らかな季語であったからです。内容としてこの歌は暗いので、季語を明るい物にして対比をしたかったんです。

 そして本編(?)である二段目以降です。このご時世、連絡は電話では無くLINE辺りで来るのでは?と思わなくも無いのですが、我が母校は携帯の所持禁止でしたのでそれは不可能ですね。多分未だに禁止でしょう。

 そんな理由で携帯では無く、家の固定電話に連絡が来ました。懐かしき連絡網だ。固定電話は家族が出る可能性もあります。先に家族が出ていたら、多分背後から見ているでしょうね。監督や顧問の先生からの電話であれば(部員が少なければあり得る)大体の内容は察せますね。

 所で、知るのはテレビじゃないの?と疑問に思われるでしょうが、これは本当にソレです。絶対テレビで知っているんですよ。でもそこで受け止められるかと言われれば、そうじゃないと思うんですよ。まだ、信じられないという気持ちだったんじゃないかなと。

 それでも、自分の知る大人から正式な方法で連絡されたらそれはもう現実と受け止める他無いですよね。受話器も落としているかもしれません。ポトっと携帯が落ちるのと、コードが伸びた受話器がダランとぶら下がるのはどちらがいいのだろうか…。しかしこんな古い情景を思い浮かべるのは、我が家の黒電話がまだ現役だからですね…。古いよ。

 そして四段目の毬栗頭ですが、これは坊主頭が成長した姿になります。美容室とか理髪店がやっていないので、髪が伸び放題になってしまうんですね。坊主頭が毬栗頭にランクアップだ。するのか?まあ、特に手入れをしなければ毬栗頭みたいになるだろう。うん。多分、なる。(テキトー)

 本来夏の大会があって、出場して、綺麗な坊主頭のまま彼らの青春は終わるはずだったんですよね。でも、そうはならなかった。そんな夏の歌です。最後の『終』は『つい』と読む方が行き止まり感があって私は好きです。唐突に終了を迎えてしまった、という気分になります。

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