蜃気楼[春]

 戦火の

 絶えぬ砂漠の

 蜃気楼

 子を抱く君と

 微笑む父母と…


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 この視点人物が幻を見るとすれば日常の風景でしょうね。この人物にとっての日常は私たちにとっての非日常で、私たちの日常が非日常なので。

 最後が三点リーダで終わっているのはetcとしての意味合いです。まだまだこの幻想の中で登場して欲しい人はいるけれども、多すぎて書ききれないのでこのように表記したいと思います。

 基本的に(俳句の世界では)君という呼称は恋人に使う物なので、近い短歌でも君には恋人のイメージがあるだろうと思って君と書きました。別に結婚した後で使ってもいいんですけど個人的なイメージとしては恋人の方が強いですね。

 ここではそのイメージに頼ってこの君は恋人であるという想定で書いています。妻にはならなかった、いえ、なれなかった人です。亡くなってしまった、居なくなってしまったなど様々な理由が考えられます。戦火を潜り抜けようとして、でも、結局抗えずに大事な物を喪ってしまうのはよくある話です。

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