エピローグ

「はい? わたしがどうして」


「ほら、そういうとこ」



 バキャァッ!



「ふつうじゃありませんよね」



 先住民の統領の体がふっとんだ。



「理不尽よ」



 いや、理不尽な目にあっているのは、今目の前にしている惑星の先住民族なのだが。


 大地が汚染されるのは避けねばならない。放射能は使えない。


 ならば、たとえこの手が血にまみれても。



「……いうとこですよ!」


「は、はぁ……っ?」


「はぁ? お姫サマがふつうなわけないでしょう。どの星の基準で言ったら、ふつうの女性が惑星の住民を皆殺しにできるんです。ボクと同じですよ。そういうとこです!」


「ふ、ふつうじゃなくっても、和也さんといられるのなら、それでいいですわ!」


「おっと、そうきましたか。では、ご一緒しましょう!」



 涼子の憂鬱だった表情が明るく輝いた。



「ありがとう。わたし、わかった気がする――」


(愛が本物かどうかじゃない。わたしがどうありたいか、ただそれだけの話――)



 惑星に降りたった二人の切りこみ隊は大地を疾く駆けた――。






 ―END―







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疾く駆けよ! 水木レナ @rena-rena

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