第2話 嶋とファジンは画期的なチップを作った

 でだよ。


 嶋は悔しい思いをしていたはずではあるが、フェデリコ・ファジンとインテルを辞めてしまい、「ザイログ」社を立ち上げた。


 嶋は新しいマイクロ・プロセッサ(めんどうだから、以降はCPUと呼ぶ)をほぼ一人で開発した。


 チップの端っこには嶋家の家紋が刻まれている。


 こいつが大ヒットしたわけだ。名前はZ80という。なにしろ、インテルの新鋭CPU、i8080とほぼ同等の機能を持ちながら、拡張機能も充実、使いやすいし処理が速い。


 i8080もそれなりに使えるが、Z80ほどの高機能だったら、っていうので各社がパソコンを開発しはじめた。日本でも世界でもITのIも知らないような会社が、パソコンを売り始めたわけである。


 傑出していたのは日本電気とシャープ、富士通であった。また、海外ではアップル社が別なCPUベースでヒットを起こしていた。


 もともとが、アップルなんて会社はガレージでジョブズとウォズニアックが作ってた、そんな弱小メーカーであった。今じゃあ、ガレージでは作ってないとか言ってるが、まあ、生産設備がろくでもなかったことは想像に難くない。


 さらにもっというと、パソコンメーカーが乱立して、どれもこれも弱小な資本力で戦っていたため、あっというまに市場は競争が激化した。


 いまではコモドールなんて名前はだれも知らないかもしれないが、有力なPCメーカーで、強烈に市場を刺激した。おまけに、ニイキュッパ(つまり3万以下)で、PCを売り出すシンクレアなんていうわけわかんない会社まで出現した。日本でも状況は似たりよったりで、家電やオーディオ各社がPCを作り始めた。


 でだ。次にいこう。


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