第62話 抜擢された女

次はあたしの番だと思っていたの。

だから、ボロボロになるまで働いた。

頑張ったのに、

どうして休んでばかりいるあの子が係長になるの?


ねぇ、どうしてよ。


わかった。

枕じゃない?


部長と寝たんじゃないの?


そうとしか思えないわ。


だからあたしは、モチベーション低く、もう何もしたくない。

心を病んだふりをして、

何もしない。


『枕さん』

そう呼んでやった。


真壁さん、という名だから、


『はい』って返事をするの。

おかしくて・・・。


枕さんの指示なんか、聞かない。

あたしはあたしのやり方を貫くわ。

部長と寝て出世した女の言うことなんか、

絶対に聞かない。


そして、辞めない。


あたしはとことん、枕さんを苦しめるつもり。

どうやって?


係長としての力のなさを証明してやるの。


あっはっはっはっは。


枕さん、よろしくね。




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