第37話 透明な女

朝起きて、

ああいやだなぁ、と思う。


何が嫌なのか。


あたしがあたしであることが嫌。


別の人生を生きてみたいのよ。

もう、これを脱ぎたいの。


心底、飽き飽きしているの。


・・・と言ってしまったのがいけなかったみたいだ。


翌日あたしは、抜け殻になってしまい、

二度と、あたしを着ることができなくなっていた。


だけど、少し、わくわくしている。

透明で生きるということに。

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