第30話 志村美希

『誠くん…だめ…』

まで聞き取れた。


旦那は何故か晴樹を殺そうとしている。


ラブがどうとか。

そうか、あの事か。

あれは息子の真人がわざとラブを車の前に投げ込んだのよ。


あんたがラブにしか愛情を注がないからじゃないの?

その癖面倒な世話は真人まかせにするからじゃないの?

  

真人に罪はない。

晴樹にも罪はない。


それを伝えたいが、伝えたら不倫がばれる。 


何より声が出せない。


織絵の傍のドアがノックされた。 

男の声だ。

『大丈夫ですかー!?』

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る