第3話 ピロートーク

 ほんと、久しぶり過ぎだから、あえて聞くけど、よかった?

 いやあ、俺はこの上なくよかったんだけどね。

 そう? なら、いいんだけどさ。

 

 相変わらずって、そんなに?

 いや、それこそ、特別なことは何もしてないよ。

 ほら、芸能人の綺麗熟女系の人がよく言うじゃない「いや、特別なことは何もしてないんですよ~」って。あれ、ね。

 いやあ、あの人たちは、そう言っておきながらしてるでしょ、大概。

 「そりゃあもう、日々努力してますよ~ 食べ過ぎたと思えば指を喉に突っ込んで吐いていますし、コラーゲン注射は欠かせませんでしょ~、この、こめかみのところ見てください、ほら、シワにならないように引っ張ってるでしょ?これ、結構辛いのよね~」ってテレビで語ってるのをこっちが見たいと思わないでしょ?


 でも、この足裏は正真正銘、な~んもしてないよ。それこそ命名「素足」。

 俺が自分の体で唯一自慢できる部位だからね。

 ん?そんなに気持ちいい?

 もちろん、コラーゲン注射もしてないし、歳をとってもこのツルツル具合だけは、なぜか変わらないんよ。

 

 ハハハハ 確かに、こういう関係にならないとわからせることができない地味な部位だよね~ ま、そういう意味では、性器と同等扱いって哀しいけどね。

 あ、性器の方はご覧の通りの有様で。あ、聞いてない?こりゃまた、失礼しました~

 お詫びに、こすってあげるよ。ほら。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る