第4話未来を繋ぐ

正門の前まで来た。

昔の自分とは、今の自分とは違う自信を持って言える。

勝ち組と思いみんなをさげすんだ時より、

期待されて通ってた頃とも、周りがすごすぎて

敗北感を引きずって通っていた頃とも違う。


何とも言えなく上手く表現する事が

できない気持ちが、僕の中にこみあげてきた。


「この一歩で僕は変わるんだ」思わず 表情にやけた、 

それに対し 「何この人」と言わんばかりの

冷たい視線を一点に浴びているのを敏感に感じ取った。


それは自暴自棄になり周りを怖がっていた頃の昔の癖、

だが心が広くなった僕にとっては、関係なかった。

逆に注目を浴びてるんだと


ポジティブな方向に思考が働いていた。

右足 左足 とゆっくりとでも確実に

新しい世界を踏み出すための一歩を力強く

地面のコンクリートを踏みしめた。


自分でもその歩みを止めることはできなかった。


自分の考えに集中してた。僕はふと顔を上げる。


その瞬間周りの音がクリアに聞こえ「危ない」という

第一声が僕の耳の中に深く鋭く突きささり、

その声に驚いた僕は道路に落ちている石ころの存在に

気付かずそのまま体勢を崩す キィィィ ブレーキ音が 鳴り響く

その音は 周りの人々の記憶に焼き付いたことだろう。


目線が上に行く


その日の空は逆行を浴びたかのように輝き

ペンキをこぼしたような青色模様で美しかった。

「最後になるとなんでこんなに美しくなるんだろう?」

ツー 頬に流れた涙には、その空の色が閉じ込められさらに際立っていた。


(最後に親孝行しとけばよかった...)


不慮の事故だった。

そのまま目を閉じた、真っ暗だ、何も見えない中ヒュン ヒュンという

聞きなれない奇妙な音とともに

周りが明るくなった。

アナウンスが流れる。「お疲れさまでした」

ピントがぼやけたため見えずらくなっていたため

目頭を右手で強く、5~10秒間程度抑え、

やっとピントが合った。

そこには見覚えのないスーツ姿の男性が、ニコニコと笑みを浮かべながら立っているではないか。

まず初めに身なりに目が行った。


その服装は アイロンがしっかりかかり

新品と言われても信じてしまう様なみなりで白色のスーツで

アクセントとして

腕には白く淡い光を放った時計をつけていた。


その身なりと反比例してそいつの顔は、

黒く焼け焦げ、皮膚が所々剥げ黒赤色の肌が顔を覗かしていた。


その彼は 口を動かした (びっくりして彼の言葉が耳に通らなかった)

僕は大きな声で聞き直す 「なんて言いました?」

今度は丁寧にしゃべってくれた。

「あの、もう降りていいですよ。」

「降りて?」何言っているのだと思ったその時

僕の体の自由が利かなくなり 体の力が抜け床に吸い付けられるように

あおむけに倒れ、 

胸元に小さな黒色のドアが現れた。

ガチャリとゆっくり開いた。

それを開けて出てきたのは、小さな小人?

驚くことに 倒れているその少年 いや、正樹とは かけ離れた容姿をしていた。

そして、サラリーマン風の男性がその小人に歩み寄り声をかけた。

サラリーマン「やっと、戻りましたね。心配しましたよ。人間の心わかりました?」

小人「うん、人間の心の深さはよく分かった。」

サラリーマン「お疲れのところ、金額の話するのは 申し訳ないんですが、うちは慈善事業ではないので

この子の物語は特別なんです。正樹君の記憶を取り入れたこのロボットざっと5億でどうですか?」

小人「いや、高くないですか?」

サラリーマン「考えてみてください。このボリュームで このお値段 他の店では、この価格では買えませんよ?私たちだから提供できる価格なのです。」

小人「確かに、言われてみれば…この濃厚なストーリーでしかも人間心理を

ここまで取り込まれて、何回も見れるなら勉強になりますね。」

サラリーマン「そうでしょ、そうでしょ では、お支払い方法は、現金でお願いします」

小人「わかった。ほれ、」

サラリーマン「では確認いたします。丁度ですね ありがとうございました。

またのご来店をお待ちしております。」

ウイ―ン(扉が開く音)

サラリーマン「ありがとうございました。」

(馬鹿な客もいたもんだ。こんなロボットなんかに 記憶なんて入れるかよ。

ただ映像をプロジェクターで流しただけなのにな、)

ハハ(高笑い)だからこの商売はやめれない

気を付けてください。新しい詐欺が流行しています。

以上



























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未来をつなぐもの クースケ @kusuk

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