家に帰り、鏡を見るたびに不思議に思う。

お母さんが優しくなったこと

友達ができたこと


この鏡のせいなのかな?

それならそれで嬉しい!

望みが叶う鏡なんだもん。


私はまた鏡を見つめてこう言う。

「私はどんな人と結婚するの?」

すると鏡には血だらけの自分が映ってた。

「キャっ!!!」

小さな悲鳴をあげ、鏡を放り投げた。

今のは何?

自分の未来?

怖い・・・。

鏡が怖い・・・!!!

明日、あのアンティークショップに行ってみよう。

確かめてこなくちゃ。


翌朝、あのショップの場所まで行くとお店はなくなっていた。周りの人に聞いてもそんなお店はないと言う。


え?どうして!?

潰れたの?それとも前から本当になかったの?

途方にくれて家に帰ると男性ものの靴が揃えてある。

リビングでお母さんとお父さんが口論している。

自分の部屋に戻り、鏡を見る。

血だらけの自分はいなかった。

「お父さんとお母さんが仲良くしてくれますように」

ささやく声で言う。

その時、頬から強い衝撃が走った。

血が出たのだ・・・。慌てて拭こうとすると鏡が私の血を吸い込んだ。

そんな馬鹿な!!!

もう一滴垂らしてみると、すぅっと消えていく。

この鏡は血を吸い込んだ?!

願いを叶えるには血が必要なの?

不気味に感じて机の引き出しにしまった。

その夜、両親はとても仲良くしていた。

やはり、あの鏡が関係してるのかもしれない。

引き出しの中から鏡を出して言う。

「冬馬と付き合えますように」


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