第8話 おばあちゃんと荷馬車

 ジャムをつくるためにお砂糖を買いに街へ出かけたおばあさん。久しぶりのお買い物を楽しんだ様子です。牛乳屋の店主がお家まで荷馬車に乗せてくれると言うので、牛乳も買いました。


「おばあちゃん、足元に気をつけな」


 店主はおばあちゃんを荷馬車に乗せてあげると、前にまわり荷馬車にのります。手綱を握ると


「おばあちゃん、少し揺れるが我慢してくれよ。すぐに家に着くからな。」と、声をかけました。


「ええ、ありがとうね。あんたの好きに走っておくれ」


 店主はおばあちゃんの返事を聞くと強く手綱を握り直し激しく波を打たせました。


ヒッヒーーン!!ガシャッガシャ。ヒ、ヒーン!!!タッカ、タッカ、タッカ、タッカ。


 馬はゆっくりと歩きはじめました。


ヒッヒーーーン!!!タッカ、タッカ、タッカ。


 時には荷馬車が揺れる音がします。


ガシャ、ガッシャ、カシャン。ガシャ、ガッシャ、ガシャン。


ヒッヒーーーン。タッカ、タッカ、ヒッヒーン。


 おばあさんは「すまないね。重たくはないかい?力持ちだね。」と、1人呟きます。でもどこか嬉しそうです。


 そんなとき、どこからか、ミャーオ。と鳴き声が聞こえました。


 おばあさんは荷馬車の中を目でひとまわり。けれどみつかりません。


「はてね?なんだろうかね。」


 

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