第31話 冒険者ギルド

では、ここがあなたの部屋になります。


「え?」


荷物はこちらに置いていただいて、洋服はこちらにかかっているものをお使いください。


「え?え?」


井戸はこちらををまっすぐ行くと扉があり、その扉をくぐった先にあります。お使いください。


「え?え?え?」


本日は休日となっておりますので、明日からの開始となります。朝になりましたらチャイムが鳴りますのでそれに従って行動してください。日が昇りきるまでは座学、昼食をとった後、昼過ぎまでは稽古があります。夕方から自由行動になりますが、夕食までには帰ってきていただき、夜半以降は外出禁止となっております。


「え?え?え?え?」


それでは何かご質問はありますか?


気づけば見知らぬ部屋にいた。さして広くもない部屋にベッドが二つ。窓は変わらずステンドグラスでできている。片方のベッドの上には若干ほつれ気味の洋服が3着。

他にはさして大きくもない机といすが2つあるだけ。


伸也はわかりやすく混乱していた。

あからさまな状況の変化に。そして行動の自由という束の間の、本当に束の間の休息だったことに対する悲しみに。


状況が未だに呑み込めずにいると、案内してくれた職員さん?は質問がないと判断したのか、では荷物を置いてこちらに、なんて言葉で伸也を促した。


言われるがままについていく伸也。もうどこから入ってきたのか、荷物を置いてきた部屋はどこだったのかすらももうわからない。


しばらく歩いたのち、こちらへなんて言われてそちらに視線を送る。そこには、重厚な重そうな扉があり、そして申し訳なさそうに、小さな木の板が掛けられていた。


職員さん?が数回ノックをしたのち、スタン様連れてまいりました。なんてことを言う。


その言葉と同時にともいえるタイミングでその重厚そうな扉がぎいぃなんて音を発しながら開いた。


そこにはあの居酒屋にいた、見知った顔があった。




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