第10話 能力はいかほどに?

「あ、あの~」


いたたまれなさそうに神の一人が話しかけてくる。


「そうじゃ湿っぽい空気になってしまったからの。おぬしらのステータスチェックしたいんじゃが・・・」


神によるとこのステータスチェックは神にしかできないらしい。


「本来じゃと何らかの感覚で自分の能力をつかむしかないんじゃがのぉそれをわしらがみてやろうというものじゃ。」


わかりやすく直すと、自分の得意な教科と苦手な教科が神の能力によって一目でわかる。みたいなことであろう。


「ほれほれ並ぶのじゃ。」

「違う神でもステータスは見れるのじゃが・・・」


ちらりと自分の後ろを見て目を細めた後、


「いや2人まとめてわしが見ることにするかのお」


まるで孫を見るおじいちゃんのように朗らかに笑うのであった。

結局ゆんは、終始自分の後ろにいた。自分の後ろといっても正式には自分とゆんの間には30センチ以上の空間がある。それは自分とゆんの心の距離を表しているようで少し悲しかったりもするのだが・・・


『ゆんがそこにいたいのなら自分が咎める義理はないから、そっとしておこう。』

そう思うのであった。

ーーー

神が一人でなにかぼそぼそしゃべっている。

『ああ元の世界で自分も独り言をいうときは、周りからこんな目線で見られていたのだろうか・・・』


そんなことを考えているうちに決して比喩などではなく、本当に空間に文字が浮かんでいるのだった。

神々が出た自分のステータスを見て、何やらしゃべっている。

一つ問題を言うとするならば、

感覚的には、日本人が初めてハングル文字を見た時の気持ちを想像していただければ、容易に想像できるのではないだろうか・・・

 それを読み取ってか、自分が頭に???を浮かべているのに気付いたのか、


「悪い悪い翻訳するのをすっかり忘れておったわい。」


神が短く何か唱えると、文字が日本語に翻訳される。上から軽く見てみる。まず初めに思ったのは、きれいな翻訳がなされていることだ。まるで、長年と思うほどに。

 軽く目を通した後、もう一度詳しく見てみようと思い上からじっくり読み始める。

ーーー

見始めてからどのくらい時間が経過したのだろうか・・・

伸也は直立不動、無言でステータスを眺めていた。

当の本人伸也の心の中は、先ほどと打って変わって楽しさと、興味で頭の中がいっぱいであった。

 ステータスは上から、ジョブ、体力、魔力、攻撃、防御・・・と書かれているのだが、その気になるステータスの文字の部分に指をかざすとあら不思議。詳細が表示される。

 伸也は初めにジョブ《職業》の部分に手をかざす。すると戦士という文字が浮かびあがる。

『どうやら俺は戦士らしい。剣を使うのか。扱い大変そうだな~』


そんなのんきなことを考えの部分に指をかざす。

出てきた一覧に伸也は驚く。そこにはLv1から覚える技や、基礎ステータスアップなどの項目がぐわーっと書き連ねてあるのだった。

伸也は今Lv1000の取得スキルを見ている。そこには火特大とだけ書かれている。

スキルは大体弱、中、強、特大のような4つに分かれているようで、Lv5くらいではサークルファイヤーなどとそれっぽい名前で書かれている。

ちなみに効果は、火を生み出し丸にして打ち出す。火が有利の相手には、やけど状態を付与。と書かれている。まあ俗にいうメ〇ですね。はい。

 話を戻そう。だがLv1000の火特大はそのままな感じで効果も周囲を焼き尽くす炎。たいてい周りには誰も残っていない。

と書かれている。このネームそのままはLv800ぐらいから続いている。せっかく強いのだからもうちょっといい名前つければいいのに・・・

 

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