第26話 自閉っ子のトイレトレーニング

トイレトレーニングを始めなくては

……。


ちょうど、センターの療育教室に通っている頃に、トイレへ行く…という練習をしてくれた。

2歳前後のほぼ同じ年頃の子たちばかりなので、先生が支援してくれながら一斉に始めた。

他のお母さんも、そろそろ……とは思いつつ、我が子にどうやって教えていけばいいんだろう…と共通の悩みを持っていた。

そんな時だからこそ、心強く助かった。


まず「トイレ」という場所に慣れる。

個室に入るのを怖がり泣きわめく子もいれば、入ったら、出ようとしなくなる子もいる。

反応は様々だけど、療育教室ではまずはそこから始めた。


次に、一定の区切り事にトイレへ行くという流れを作った。

お弁当の前にトイレ。

帰りの支度をする前にトイレ……など、区切りの良い時にトイレへ先生、あるいは母親と一緒に行ってみる。


慣れてくると女の子なら便座に座ってみる。

男の子ならトイレの前に少しだけズボンの前を下ろして立って、おしっこが出るのを待つ。


便座は小さな子供用のシンプルな便座を使う。

キャラクターや、あれこれと飾りや仕掛けがあるものは 子供の気を引くことはできるが、視覚過敏気味なこの子達には遊びになってしまい、トイレでの本来の行動になかなか集中しづらくなる。


教室中は、週一の4時間程の間なので 帰ってからもこの習慣を無駄にするまいと、それぞれの家庭でてんやわんやのトイレトレーニングに挑戦することになる。


我が家では、バケツ、30枚ほどの綿パンツ、雑巾、消毒液…を買って挑んだ。

とにかく、オムツは濡れた不快感が分からないと思うので、漏らして濡れて…気持ち悪い、おしっこがでた…と分かってもらわなくてはと思った。

区切り事に、トイレに連れて行ってみて、出なかった…と思って部屋に戻ったとたん ジャーって漏らしてビショビショ。。(;;)なんてことは、しょっちゅうだった。

もちろん、簡単にはいかないと最初から覚悟はしてたので想定範囲内のこと。

とはいえ、私だって限界があるので、長期戦か短期戦か……と考えた時に 自分は短期戦の性格。。


なので、1ヶ月以内にメドが立たなかったら少し休んで、また始めようとは思っていた。

最初から、おまるは息子にはムリだと思った。

自閉症なので、たぶんおまるを覚えたら、トイレへの移行はきっと難しい。

最初から、立っておしっこ。

うんちは子供用便座に座る。


夜だけオムツの生活。


お出かけの時は、こまめにトイレに誘うが万が一のため、オムツではなく、パンツに敷いておくパッドのようなものが売っていたので それをつけておいた。


時に、トイレへ誘う時に パペットを使ってみる。

「ねぇねぇ、そろそろトイレへ行ってみようよ!!」

と、パペット人形になり切って目を引かせて誘う。

トイレには、おしっこ、うんちが上手にできた時に貼るかわいいシール表を作っておく。

子供はシールが好きなので、成功してシールがもらえたら喜んで貼っていた。

5回、10回など、ひと区切りのところでは大好きなキャラクターなどの特別シールを用意しておいた。


そして、とにかくとにかくオーバーリアクションで褒めちぎった。

また、意外と大事なのは足台だった。

たってする時も台の上に立たないと高さがたわないが、うんちをする時も足台が必須だ。

足がブラブラと地についていなかったら、状態は不安定だし、お腹に力をいれてきばれない。

足がしっかりと地につくことで上体は安定し、しっかり力を入れて便を出すことが出来る。

そして、何よりお兄ちゃんがいたのも助かった。

旦那でもいいのだが、男子なので 協力してもらい、どうやっておしっこをするのかをお手本で実際に次男に見せてもらった。(協力に感謝)


結局、息子は長男の時と同じく、2ヶ月もしないうちにトイレトレーニングが完了した。


さすが、自閉っ子。1度パターン化して頭に入ると、完璧!











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