第49話 4つのホルンのための小協奏曲

風が柔らかく感じられる9月26日土曜日、刈谷アイリスという名のホールへ行くことができました。

開館10周年記念公演としてシューマンのレアものプログラムを聴けると、私の敬愛するコンサートの師匠から教えてもらったのです。

師匠は、文章教室の姉弟子でもあります。なので、けっこう頻回に会い、話題の尽きないクラシック「沼」の住人同士です。



シューマン/4本のホルンのための小協奏曲 ヘ短調 作品86

コダーイ(下野竜也編)/ミゼレーレ

シューマン/交響曲 第4番 ニ短調 作品120

指揮:下野竜也

ホルン:N響ホルン・セクション(今井仁志、福川伸陽、石山直城、勝俣泰)

管弦楽:NHK交響楽団


10月11日(日)のNHK・Eテレ「クラシック音楽館」で東京公演だと思いますが放送ありますので、そちらも大変楽しみにしています。

というのも、席が後ろのほうだったので演奏を聴く分には良いのですが、オーケストラの真ん中辺で立奏されたホルン隊の皆様の様子がわかりません。もっとよく見たいので。



「4つのホルンのための小協奏曲」について

ソリストの皆様たいへん忙しそう。そういう曲だと知っていても。オーケストラ曲は休みはところどころありますから、この曲は吹きっぱなしの印象です。

高音も多いです。たぶん、シューマンは発明されたばかりのバルブホルンの可能性を追求したかったのでしょう。

バルブホルン登場以前のナチュラルホルンは、半音を出せなかったそうです。シューマンは新しい仕様のホルンを手に取ってさぞワクワクしたでしょうね。

作曲家の難題にも見事応えたホルン隊の皆さまに盛んな拍手が贈られました。アンコールは、ブラームスの子守歌。心に沁みる演奏でした。


「交響曲第4番」について

何度も家で聴く曲ですけれど気がつくところが幾つかありました。ひとつは、弦楽器のコントラバスのほうから第一バイオリンに波打つような感じで流れるところ。目にしてわかることなので、生ならではの醍醐味でした。ピチカートが大好物でもあり、空気を伝ってくる音に耳はとても喜びました。


「ミゼレーレ」について

もとは声楽曲で、指揮者の編曲版です。家で元の曲を聴いていきましたが、まだまだ良さがわかったとは言えません。ふたつのシューマンの間にあってプログラム全体が一曲としたら、緩徐楽章みたいだなと思いました。



今年1月以来のオーケストラで目にするだけでも飛び跳ねたいような気持になり、感動ポイントがいっぱいありました。耳が音に飢えていたのですね。良い音を体中に受けて浸って、しみじみ噛みしめて帰路につきました。


休憩時間がなかったため終演は早かったです。コロナ対策ですね。



ホールについてのメモ)

刈谷アイリスは名鉄・JR刈谷駅から橋でつながっています。

車で行く場合、アイリスの駐車場だと駐車券をもられるとかアナウンスが。このあたり車で行くときはチェックしたいと思いました。アナウンス聞いている時点では、違う駐車場に入れてしまっているかも、ですからね。

とても響きの良く、ちょうど良い大きさだなと思いました。

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真夜中の第2音楽室 沓屋南実(クツヤナミ) @namikutsuya

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