眠れぬお嬢様はいつまでこの人を愛せばいいの

一ノ瀬 彩音

第1話 いつまで愛せばいいの、私

私にはなぜか一人の女性を愛し続けないといけないという

のがあるのです。


私のお名前は戸松晴美トマツハルミで年齢24歳。

戸松家のご令嬢です。


ご令嬢なのはいいのですけど、戸松家のルールで一人の

女性を愛し続けないといけない。


どうしてそんなルールが出来たかというと初めは異性同士の

恋愛でしたが、母親が父親と離婚をしてしまったからです。


離婚の理由は母親が男性なんて信用出来ないという始末。


確かに私も男性に対して抵抗があるし、信用出来るとも思えない。


母親が提示してきた女性は某お店の経営者をしている人です。


その女性のお名前は遠坂美来トオサカミクで年齢24歳です。

職業が某お店の経営者です。


母親の言う事は絶対なので言う事を聞かないと後でどうなるのかがわかりません。


そして、今は母親の所に居るのですが…………母親が私にこう言ってくるのです。


「晴美、しっかりと遠坂美来さんと仲良くして愛してあげるのよ」


「わかってるよ、お母様」


「本当にわかってるの?」


「何度も言わせないで、お母様」


「じゃあ、私は遠坂美来さんを待たせてるから」


「しっかりと愛し続けるのよ」


私は母親の元から離れて遠坂美来さんが待っているお部屋へと向かうのでした。


お部屋へ向かう途中にメイドとすれ違うとメイドが私に

「お嬢様、今日も綺麗ですね」


「あ、ありがとうございます」


「お嬢様って百合なんですね、知りませんでした」


「なっ、なんて事を言うの、失礼じゃない」


「申し訳ありません」


「次からは気をつけてね」


「はい、お嬢様」


私はメイドとのお話が終わってさっさと遠坂美来さんが待っているお部屋へと急ぐのでした。


遠坂美来さんが居るお部屋の前に到着すると私はドアをノックしてから

ドアを開けてお部屋の中へ入る。


お部屋の中へ入ると遠坂美来さんが高級な椅子に座って待っている。


私はドアを閉めてから遠坂美来さんがいる所まで歩み寄って近づくと私は

「大変お待たせしました、申し訳ございません」


私がそう言うと遠坂美来さんは

「随分と待たせるのね、失礼じゃない?」


「そ、そうですね、ごめんなさい」


「ごめんなさいと思うのなら、私に口づけをしてね」


「で、出来ません」


「あらっ、どうして出来ないの?」


「遠坂美来さんの事をよく知らないし、軽々しく口付けなんて出来ません」


「そういう事を言うのね、貴方の母親に報告させてもらいます」


「それだけは勘弁して下さい、お願い致します」


「なら、私に口づけをする事ね」


いきなり会ったばかりなのに口付けしてというのはおかしい。


普通は順序を追って口付けをするならわかるけど、今すぐ口付けをしてねというのは

私自身抵抗あるし、出来ない。


一体どうすればいいのかを相談してみようかと思います。


「遠坂美来さん、いきなり口付けというのは変です。もう少しお互いに親密な関係に

なってからでもいいと思います」


「私にそういう態度を取っていいの?」


「あっ、それは、その………………」


このままでは私の母親に報告されてもおかしくない。


どうすればいいのかが正直わからない私がいます。


「ほらっ、早く口付けね」


「わ、わかりました」


私は遠坂美来さんの傍に行くと遠坂美来さんの唇に口付けをするのでした。


しかし、遠坂美来さんは満足してない様子で何度も私は口付けをしている。


「口付けをしてくれてありがとうね」


「はい」


「それと私の事は美来って呼んで、後は貴方の事も晴美と呼ぶね」


「はい、わかりました」


「敬語もやめてね」


「は…………うん」


私は本当に美来を愛し続けないといけないと思うと大変なのかと思います。


しばらく美来とお話をしていると良い女性なのはわかると美来が私に近づいてきて

私の唇に何度も口付けをしてきた。


私は恥ずかしくなって赤面していると思います。


それを見ていた美来は

「晴美って可愛いね、素敵よ」


「美来、口付けしてくれてありがとう」


「これからもっと愛し合うからね」


「そうだね、愛し合いたい」


その後、私は睡眠時間を削ってまで美来の事を愛し続けた。


正確には私がなかなか眠る事が出来ないので愛し続けるしかなかったのです。


愛し続ける事で美来もそれに応えてくれて愛してくれました。


お互いに何度も何度も口付けを交わしてデートをする時も

仲良く楽しく過ごしています。


そんな日々を過ごしているとお風呂も一緒に入るようになると

美来から恥ずかしい要求ばかりされて

私はすべて引き受けてさせてもらっているのです。


その結果、私はますます美来の事を愛し続けてます。


なかなか眠れない私は美来の事をどんどん愛し続けてこれでも

かというくらいに愛している。


美来も私の事を大切にしてくれて愛してくれています。


それがもう日常的となって当たり前となるのでした。


そのせいか、私と美来はいつの間にかに結婚していた。


女性同士なので同性婚というのですよね。


同性婚というのに抵抗がありましたが、それでも私は美来を

愛し続ける事には変わりません。


これからもずっと美来の事を愛し続ける事でしょう。


美来も私に愛を捧げてくれてるのでとても嬉しいです。


私の方は相変わらず、なかなか眠れない体質のようでその間も美来を愛している。


こんな幸せな事はありません。


本当に美来と出会えて良かったと思っているし、感謝もしています。


私は本当に幸せです。

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眠れぬお嬢様はいつまでこの人を愛せばいいの 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

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