ジョルジュ・バタイユの思想

千夜一夜

1 はじめに

 西田幾多郎(1870-1945)は、「私はしばしば若い人々にいうのであるが、偉大な思想家の書を読むには、その人の骨というようなものを掴まねばならない。そして多少とも自分がそれを使用し得るようにならなければならない。偉大な思想家には必ず骨というようなものがある」と言っています。西田は、ある哲学者の思想を理解するに全集等を読み漁ったりはしなかったようです。つまり、ある哲学者の思想を「完璧に、かつ網羅して」理解しようとはしなかったのです。なぜか? 西田は哲学者を研究する学者様ではなく、自身が自ら哲学をしていた思想家だったからです。ゆえに、「コツ」をつかみ、「自分がそれを使用し得るようにならなければならない」と言っているのです。ちなみに日本では、哲学の研究者は多いが、西田のように哲学をしている人はとても少ない、としばしば言われます。


 さて、今回はみなさんに、フランスの思想家ジョルジュ・バタイユ(1897-1962)の「骨」を紹介したいと思います。ただしもちろんその「骨」は、ぼく自身が「使う」ための「骨」であり、他の人がバタイユの思想にふれたなら、また違った「骨」をつかむであろうことは言うまでもありません。

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