学級委員

「かろかっくういいけれっ!」


 古典の授業。担当教師がお休みの為、ロリ先生が代行していた。


 相変わらず中学の内容である。


「か行下二段活用だよ! テストに出るよぉ〜」


 絶対に出ない。


「ロリ先生。古典の授業も出来るなんて、さすがです!」


 ザコが言った。出来てないんだよなぁ。


「ロリ先生、授業の進みが遅いです! 竹取物語なんて、中学の内容ですよ!」


 学級委員長をやっていそうな女生徒が言った。いかにもあの人が一年の学級委員長を務める、学級がっきゅう 員子いんこ だ。あだ名は学級委員。


「ふっ。竹取物語なんて、いと片腹痛し」


 ドヤ顔で学級委員は言った。彼女は学級委員長の立場が気持ち良いのか、しょうもないことでマウントを取りたがるのだ。


「か、かたはら、いたし……? ぽんぽんが痛いのかな?」


 ロリ先生、どうして古典の授業の代行を引き受けたのですか。


「はあっ、くうっ、そうやって可愛さで誤魔化そうとしても無駄ですよっ!」


 勝手に悶える学級委員。こいつもチョロそうだ。


「そういう学級委員こそ、授業の邪魔してるんですよっ!」


 例の如くザコが突っ掛かった。


「学級委員に突っ掛かるとは、馬鹿な奴ですね。学級ポイント-10点です」

「はうぅ! これで私のポイントは-8282ばぶばぶ点! 私の完敗ですぅ!」


 最初からマイナス値だったんじゃないの。


「私に任せてよ。私、せんせえ、だからっ!」


 ない胸を張るロリ先生。


「はうっ……ない胸を張ったって無駄ですよっ」


 顔を真っ赤にする学級委員。ほんとチョロそう。


「全くもう。でも学級委員ちゃん、いつも頑張っているから良い子良い子してあげるね」


 ロリ先生が学級委員に近寄る。


「や、やめろっ! 来るなっ!」


 ロリ先生に籠絡されてしまう。それを本能で察したのか、学級委員はロリ先生に怯えていた。


「私を良い子良い子してどうする気だっ!」


 どうもしないと思う。


「良い子良い子して辱めるつもりだろっ! エロ同人みたいにっ!」


 そんなエロ同人誌あるんだ。


「またまたそんなこと言ってぇ。嫌だと言ってもしちゃうんだから!」


 ロリ先生は学級委員の頭に手を乗せた。


「は、はぅう……」

「うふふ。手を乗せただけで悶えちゃうなんて可愛い。ほら、良い子良い子」

「あ、あひゃぁあ……」


 案の定、即落ちだった。


「ほら、ここ読んでみて」

「い、今は昔、ていくっ! ばぶぅっ! おっぎゃあっ!」

「そうだね。今は昔、竹取翁というものありけり、だね」


 どういうこと? 解説してよ先生。


「ばぶうママ二段活用ですね。さすが学級委員です」


 ザコが解説してくれたけど、やっぱり分からなかった。

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