第9話 迷子

私は、走って気がつけば神社にいた


「小豆さん…あの髪ゴムに何か思い入れがあるのかしら…??」


「思い出した…。そういえば、、、」


-------10年前---------

私は、その頃5歳の誕生日で

いつもはお屋敷から出たら駄目だけど、

お祭りに連れてって貰えた


初めてのお祭りに私ははしゃいで、御手伝いさんとはぐれて、神社で泣いていた


「うっ…ここどこだろう…御手伝いさん…」

神社には、誰もいない

お祭りの光が微かに見えるだけ


そんなときに

「だいじょうぶ?まいご??」

川本先輩は話しかけてくれた


「うん…迷子になっちゃったの…」

「なまえは??」

「あずき ほのか…」

ドンッ花火があがった


「きれい…」

「ここぜっけいスポットだな!」


「おれは、ゆうた!おれもまいご!いっしょだな!」


アナウンスが入って私の御手伝いさんと

川本先輩の親が探してることがわかった

「ほのかちゃん、いっしょにまいごせんたーいこ!!!」

「うん!!」

そうして迷子センターについた

「穂香様、勝手にどこかに行ってしまっては駄目です。では、帰りますよ」

「はい…」


「ほのかちゃん!これあげる」

「うさぎのごむ…?」


「これ、つけてればまた、あったときにわかるから!また、花火みよ!」

「ありがとう、ゆうたくん」

--------------------

「昔の私は地味でうさぎのゴムが似合わなくて、やっと似合うようになれたと思ったんだけどな…まぁ、覚えてないよね…」

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