きぐるみ女神Q様『桃源郷神社へようこそ!』

 では今回はきぐるみ女神Q様の『桃源郷神社へようこそ!』の感想を上げていきたいと思います。


 この作品ではキャラクターの造形と動き、地の文のインパクトのある語り口調が癖になる可愛らしい作品となっている。私はそう思いました。


 では、感想の方を。


 初めまして転ペンと言います。


 今回は企画に参加していただきありがとうございます。



 ではこの『桃源郷神社へようこそ!』の感想を上げていきたいと思います。



 まず最初に、やはり読んでいて最初に湧いて出る感想は、キャラクターの印象が強いことでしょうか。


 しかし強すぎるものというのは時には得てして周りとの調和を乱してしまうもの。

 ですがきぐるみ女神Q様が描くこの『桃源郷神社へようこそ!』では、強いキャラクターにインパクトのある地の文によってバランスが保たれていると読んでいて感じました。

 見た目はイチゴ、一口食べればチョコレート。そのような作品なのではないかと思います。


 キャラクターというのは小説の中では特に見られる存在ではないでしょうか? 文字だけでその人物、物を動かすのはとても工夫がいる、仰々しく言うのなら神の、光あれ。です。


 それほど大事な存在の1つではないかと私は思っており、そのキャラクターが『桃源郷神社へようこそ!』ではまるで飛び跳ねるかのように、彼、彼女らから指差しされればつい笑顔で「呼んだ?」と、返事をしてしまう。そんな動きがダイナミックなキャラクターが本当に魅力的です。


 きぐるみ女神Q様のキャラクターを動かす技術は類稀な物ではないでしょうか。


 そして個人的な素敵だなと思った描写なのですが、キュイさんやサンスケさん、つまりエピソードの最後ですね、彼、彼女らが神社での出来事を経て進む様はとても印象的でした。


 キャラクターの描写、造形、物語との関連性、どれをとっても素晴らしいものだと思います。


 では、次に読んでいて気になった点を挙げていきたいと思います。


 まずこれは私が、出版社の新人賞に送った時に言われたことがあることなので、きぐるみ女神Q様が求めている感想とは違うのかもしれませんが、どうしても気になったので。


 それは地の文の視点主についてです。

 およそこの作品『桃源郷神社へようこそ!』では第二人称視点、所謂神視点であると思うのですが、視点主が明確でないこと、一体何を見た視点での語り掛けなのかが明記されておらず、この物語は誰の視点に立って物語を読めばいいのかがわからなくなってしまいました。


 物語上、それを描写できない場合もあるかと思いますが、キャラクターたちをどのように、誰の視点での話なのかの説明があると嬉しいなと思いました。


 視点についてもう一点、それは先ほども上げたエピソードの最後でもそうなのですが、突然視点主が変わることがあり、やはりこちらも困惑してしまいます。



 もしかしたら過去の作品でその説明があるのかもしれませんが、私は今『桃源郷神社へようこそ!』しか読んでおらず、的外れな感想であったのなら申し訳ありません。


 しかし先に述べた通り、キャラクターの作り、枠に収まらないほど強烈な文章の作り方は見習うべきものだと思いました。


 きぐるみ女神Q様のキャラクター、そしてそれを大いに立てる地の文、これらの能力には目を見張るものがあり、ここまで印象深い作品を書ける人は本当に稀なのではないでしょうか。


 この作品は実に興味深く、今後の展開に期待しか持てません。


 どうかこのまま、きぐるみ女神Q様の能力を伸ばしたまま描かれるであろう次のお話が楽しみです。


 では、長くなりましたが以上で感想とさせていただきます。

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